としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2008年10月掲載
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 地下
 10月19日(予定)からの京阪中之島線開通に伴い、今回のテーマは「地下」にしました。鉄道をはじめ、地下の世界(少し広げて海底まで)をご紹介いたします。
因みに、当館の地下1階には書庫、コンピュータ室、資料情報課(「せんなりびょうたん」発信元)などがあり、第2土曜日には 「地下書庫見学ツアー」を実施していますよ!
 
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JAPAN UNDERGROUND Ⅲ
内山英明著 アスペクト 2005年12月刊
「JAPAN UNDERGROUND Ⅲ」表紙画像
 13年にわたって日本の地下を撮り続けた著者の、3部作最終巻。土門拳賞を受賞した写真集です。
 地下鉄の線路も、トンネルや通路も、人工的な照明に煌々と照らされ、おびただしい数のワイヤーがのたくり、SF映画の未来都市めいて見えます。かたや深い闇の中から浮かびあがったのは、銀山跡に放置された錆びついたトロッコや、旧日本軍の未完成の兵器工場に、天井を突き破って延びた木の根。
 決して日光に消毒されない、ざわざわと妖しい、巨大かつ危うい、地下の魔力にずるずると引きずり込まれます。

・「JAPAN UNDERGROUND2000年9月刊

・「JAPAN UNDERGROUND Ⅱ2003年4月刊

 
モノリス・真下の宇宙 1cm100年の土のプロフィール
(INAXミュージアムブック)INAX出版 2008年6月刊
「モノリス・真下の宇宙」表紙画像
 おいしそうなお菓子の断面? いいえ、これは、私たちの住む地面の下にある、土壌の断面の標本です。
 一メートル分に、採取地の一万年分の歴史が圧縮されているという、土壌の断面の標本、土壌モノリス。この本は、さまざまな場所の土壌モノリスやその作り方をカラー写真で掲載し、地域の環境や産業と相互に影響しあう土壌の、形成や各土壌層の性質、標本の作り方などを、イラストや図表をまじえて解説しています。
 巻末には、土壌モノリスを見ることができる博物館・研究所ガイドつきです。

 
水にうつる願い 平成18年度特別展
大阪府立狭山池博物館編集 大阪府立狭山池博物館 2006年10月刊
「水にうつる願い」表紙画像
 「地下」から発見された様々なものから、昔の人々の暮らしに思いをはせるのはいかがでしょうか。今回ご紹介するこの図録で、身近な地名が出てくると、「この地面の下にも何かあったかも?」とワクワクします。また「人面墨書土器」をはじめとした豊富な写真や「水の歌人・柿本人麻呂とその流れ」などのコラムも織り交ぜられて、興味深い1冊です。
 当館では、他にも『年代のものさし 陶邑の須恵器(大阪府立近つ飛鳥博物館編集 大阪府立近つ飛鳥博物館 2006年1月刊)や、貸出はできませんが『弥生人躍動す!池上曽根と吉野ケ里』(大阪府立弥生文化博物館編集 大阪府立弥生文化博物館 2006年10月刊)をはじめ遺跡関係の図録を所蔵しています。あわせてご活用ください。

 
メトロ誕生 地下鉄を拓いた早川徳次と五島慶太の攻防
中村建治著 交通新聞社 2007年7月刊
「メトロ誕生」表紙画像
 地下鉄開業をめぐるビジネスドラマです。1927(昭和2)年12月30日、上野~浅草間に、日本で初めて地下鉄が開業し、当日は十万人の乗客であふれかえりました。
 「昔、海だったから地盤が軟弱だ。内陸地であるロンドンのような地下鉄を敷設することは無理だ」と言われていたにも関わらず、一人で地下鉄の必要性を訴え続けた、早川徳次。後世『地下鉄の父』と呼ばれることになる早川氏は、一民間人でありながら、東京に地下鉄を通すために奔走します。まるで、NHKの『プロジェクトX』のような、早川氏の努力により地下鉄は開業するのですが、そこに、将来東急王国を築く『電鉄王』五島慶太が立ちふさがりました。前半の早川氏の奮闘、後半のドキドキするビジネスの駆け引き。普段何気なく利用している地下鉄にこんなドラマがあったのか、と、ビックリすること請け合いの一冊です。

 
アトランティスの謎  超古代文明ドキュメント 1
南山宏作 大矢正和絵 講談社 2004年9月刊
「アトランティスの謎」表紙画像
 アトランティスは本当に実在したのか!?哲学者プラトンが書き記した記録をはじめ、伝説を裏づける調査研究をもとに海底に沈んだとされるアトランティス大陸の謎に迫ります。一説によれば、アトランティス人の退廃と堕落が、神の怒りに触れ、海に沈められたと紹介されており、アトランティスの滅亡の話は私たちへの警告なのかもしれません。他にも痕跡の発見や予言者によるリーディング(霊診)の話も登場し、興味の尽きない1冊です。

 
埋もれた秘境カッパドキア 幻の大地下都市
立田洋司著 講談社 1977年10月刊
「埋もれた秘境カッパドキア」表紙画像
 トルコのカッパドキアは、降り積もった火山灰が風雨で削られた、不思議な形の大地で知られていますが、その地下には8世紀ごろ、イスラムの侵攻から逃れたキリスト教徒が住んでいました。大きいものでは地下8階、16,000人もの人々が暮らしていたと言われています。
 表題の本は、彼らが地下を掘るに至った経緯を、地形や宗教、歴史的背景から辿っています。また『地下につくられた町・カッパドキア(大村次郷文・写真 福音館書店 1990年刊)は子供向けの本で、地下都市の貯蔵庫や水場、教会や学校などの大きな写真がたくさんあり、アリの巣のような断面図では、地下都市の様子が大変わかりやすく表現されています。合わせてお楽しみください。


作成:資料情報課


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