としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2008年7月掲載 |
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ヤングアダルト(YA) |
大阪府立中央図書館のホームページでは、ヤングアダルト(YA)を主な対象とした新しいサイト「YA!YA!YA!べんりやん図書館」がスタートしました。もう見ていただけましたか?
ヤングアダルト(YA)とは、おおむね12歳から18歳までの、中学・高校生世代を指します。
「ヤングアダルトって何?」「私も?」「僕はちがうの?」と戸惑われることはありません。このサイトは、すべての世代のみなさんに、今以上に図書館のことをよく知って、どんどん便利に活用してもらうためのヒントを満載した情報ページであり、交流のページでもあるのです。
今回は、ヤングアダルトに読んでほしい本、ヤングアダルトの気持ちで読んでほしい本を紹介しています。
図書館にはいつでも過去、現在、未来が待っています。ぜひ図書館で新しい発見を! 「YA!YA!YA!べんりやん図書館」で紹介されている本もお見逃しなく!
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<書名(タイトル)の部分をクリックすると、蔵書検索の書誌詳細表示画面を見ることができます> |
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いま、暗闇でふるえているきみへ |
義家弘介 光文社 2005年12月刊 |
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本書はゲーム・ソフト開発会社が配信していた有料携帯サイト[ヤンキー先生悩み相談]を書籍化したものです。「何のために生きてるんだろ?」「死んでしまった方が楽かも」「出会い系サイトに入り援交してしまった」「体中リストカットの跡だらけ」など、どの相談も後悔の念とやり直したいという気持ちがヒシヒシと伝わるものばかりです。そんなヤングアダルト(YA)からの様々な怒りや悲しみの叫びに答えるのはヤンキー先生こと義家弘介氏。悲痛なSOSを真正面から受け止め、「逃げるな! 少しでも笑顔でいられる場所に向かって必死に歩け!」と熱く語っています。同じような境遇を経験した著者からのメッセージは、力強く、生きる勇気と希望を与えてくれます。
これ以外にも当館には、『君はひとりじゃない ヤンキー先生の直球メッセージ』(大和出版 2005年4月刊)、『ヤンキー先生の子供がわからない親たちへ』(祥伝社 2006年3月刊)など多数の著書を所蔵しています。
ティーンズの心の叫び、皆さんはどう受け止めますか?
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14歳。焼身自殺日記 |
ブレント・ラニアン著 小川美紀訳 小学館 2007年3月刊 |
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自分自身に火をつけ全身の85%に火傷を負ったアメリカ少年の手記。巻末の著者紹介には、今は成人して「最終的にこの出来事から解放されることを願っている」とあります。身体と心の回復の過程が、友人に対するように語られ、最近の若者言葉を要所に配した訳とあいまって、10代の人にも読みやすい一冊です。
なぜそんなことをするのか自分でもわからないまま、衝動的に極端な行動に走ってしまう若者たち。とりかえしのつかないことになる前に、読んでみて下さい。著者は言います。「ホントに、ホントに、ホントに、(10回くりかえし)。ホントに、やめていればよかった。」「だれかに危害を加えなくて、ほんとうによかった。殺したのは、自分だけ。それだけが、救いだ。」
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KY式日本語 ローマ字略語がなぜ流行るのか |
北原保雄編著 「もっと明鏡」委員会編集 大修館書店 2008年2月刊 |
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「あの人、KYやねぇ(空気の読めん人やねぇ)」という風に、ローマ字や数字で略した言葉が流行しています。KY語は、通じるかどうかで仲間かどうかを識別するので、排他的ではないか、といった若者批判につながる考え方もあります。でもその半面、「遠回しに表現できる」という日本人好みの言葉でもあるようです。
【ND(エヌディー)人間としてどうよ】
「ここ3日間で食ったの、カップラーメンだけ」「それってND?」
【DK(ディーケー)大事なところでかむ】
「あの人あがり症やからDKやらかすんちゃう?」「期待したら悪いで」
上記に引用した以外にも、この本にはKY語が370語も載っています。実際に使われる文脈も詳しく、使用場面が彷彿とされ、笑えます。空気が読めなくったって全然OK! 楽しみながら、若者言葉に浸ってみてはいかがでしょうか。
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何かを書きたいあなたへ ケータイ小説の女王が教える文章術! |
内藤みか著 ビジネス社 2006年10月刊 |
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今や、ベストセラーの常連といっても過言ではない「ケータイ小説」。その人気を支えているのは、ヤングアダルト(YA)と呼ばれる中高生のみなさんです。でも、ケータイ小説をただ読んでいるだけでは物足りない。自分でもケータイ小説を書いてみたい。そんなみなさんにおすすめなのが、本書です。「ケータイ小説の女王」との異名を持つ著者、内藤みかさんが、どうやったら小説を書けるようになるか、詳しく教えてくれます。今までケータイ小説を読む側だったあなた! この本を読んで、今度はケータイ小説を書いてみませんか?
なお、内藤みかさんの著作は、エッセイ『別れても、バカな人』(幻冬舎 2002年6月刊)、『美男子のお値段』(角川学芸出版 2007年7月刊)を始め、当館でも何冊か所蔵しております。そちらもあわせて、お楽しみ下さい。
また、「ケータイ小説とはいったい何なのか」知りたい方は、『ケータイ小説がウケる理由』(吉田悟美一著 毎日コミュニケーションズ 2008年2月刊)をどうぞ。 |
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エアギターオフィシャル・ガイドブック |
かながわIQ著 トランスワールドジャパン 2006年9月刊 |
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「風車弾き」に「ジャンプ」「膝つきソロ」などなど、これらはエアギタージャパン公認テクニックだそうです。そんな「エアギター」ってご存知ですか? この本を読んで付録DVDを見れば、あなたも今日からエアギタリスト!! テクニックだけでなく、歴史なども紹介されていて興味深いです。
学生のみなさんなら、文化祭などでも使えそうですね。バンドをしてる人のパフォーマンスの参考になるかもしれません。一昔前?のヤングアダルト(YA)世代のみなさんも、読み進めると懐かしい曲名に、頭の中でBGMがなって、その雰囲気が楽しめるかもしれません。
また子育て中のお父さんは、わが子とエアギターを楽しめる日に備えて、この本で準備はいかがでしょうか。音楽ジャンルもロックに限らないようですし、この本片手に老若男女問わずみんなで楽しむのはいかがでしょうか。 |
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高校生レストラン、本日も満席。 |
村林新吾著 伊勢新聞社 2008年3月刊 |
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仕入れも調理も給仕も販売も、ぜーんぶ高校生がやります! 三重県立相可高等学校調理科のお店は、本格的、っていうより本物。もちろん、学生の本分たる学業がありますから、開店は週末だけですけれど、満員御礼売り切れの秘密は? そして、新築されたレストランの建物は、同じく県内で建築家を目指す高校生のアイデア・コンペで建てられた! 話題の一冊です。
他にも、「ここまでできる!」高校生の活動報告として、
工業高校生が、技術力を生かして車椅子修理を行い、アジア各国とつながる
『空飛ぶ車いす 挑みつづける工業高校生』
日本社会福祉弘済会編 空飛ぶ車いすを応援する会 2004年8月刊
『空飛ぶ車いす 心がつながるおくりもの』
井上夕香文 鴨下潤画 素朴社 2008年2月刊
1998年以来、毎年長崎から国連へ平和のメッセージを運ぶ
『高校生平和大使 ビリョクだけどムリョクじゃない!』
高校生1万人署名活動実行委員会 監修 長崎新聞社 2007年6月刊
タイトルは「未来の」だけれど、今だって十分立派な研究者だ?! 全国津々浦々で日々研究・実験・観察に励む高校生の健闘結果
『未来の科学者との対話 6』
神奈川大学広報委員会全国高校生理科・科学論文大賞専門委員会編 日刊工業新聞社 2008年5月刊
松本サリン事件で、なぜ冤罪報道が起こったのか? 高校生がプロのマスコミを逆取材した
『ニュースがまちがった日 高校生が追った松本サリン事件報道、そして十年』
林直哉著 松本美須々ケ丘高校・放送部著 太郎次郎社エディタス 2004年7月刊
『松本サリン事件をテーマとしたメディア・リテラシー教材 テレビは何を伝えたか』(DVD)
長野県メディア・リテラシー研究会企画 長野県松本美須々丘高等学校放送部(制作) [2004]
などがあります。 |
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知ることより考えること |
池田晶子著 新潮社 2006年10月刊 |
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「考えること」を考えてみませんか? この本は、ニュースや新聞で知るような事件、身のまわりで起こった出来事を題材に取り、それぞれについての筆者の考えを約3ページずつでつづった哲学的エッセイです。事件や出来事そのものに対する好き嫌いや表現が的を得ているのかどうか、ということは、読む人それぞれに感想が分かれるところです。大切と思われるのは、エッセイ全体を通じて繰り返される主題−生と死、善と悪、知ること、考えること、これらはつまりどういうことなのか。人はこう思っていることが多いが、実はこういうことではないのか。筆者はたえず考え、簡単でくもりのない言葉で語ろうとしています。
『14歳からの哲学 考えるための教科書』
池田晶子著 トランスビュー 2003年3月刊
同じ著者による「考える」ための教科書。「自ら考えること」の方法を、「考える」「言葉」「自分とは何か」「理想と現実」「メディアと書物」など30のテーマを通じて、語りかけ問いかけるように説いています。
『十八歳・等身大のフィロソフィー』
石塚正英編 理想社 1997年4月刊
予備校生が課題として書いた「小論文」を集めたもの。17〜19歳の名も知れない書き手たちが考え、書き出した文章たち。文章としての「うまいへた」ということでなく、書くということのエネルギーを感じます。 |
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YA(ヤングアダルト)読書案内 |
赤木かん子[ほか]編 晶文社 1993年9月刊 |
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「ヤングアダルト(YA)向き」と銘うった読み物は数多く出版され、最近では図書館でも書店でもすぐに見つけることができます。ただし、すべてのヤングアダルト(YA)読者にそれらがぴったりくる、というわけではありません。それぞれが、読むべきときに読むべき本に出会えれば一番よいのです。でも、ホントに何を読めばいいか分からなくて・・・というときは、読書案内を読んでみるのもいいものです。一人で探したり読んだりできる量には限りがあります。この本は、10代の読み手が読みやすく楽しめるように、また様々な知りたい要求に答えられるようにと、多くの執筆者たちが工夫して編集した本のガイドブックです。本の題名や内容がただ並んでいるだけではなく、読み物としても面白く出来ています。
元気が出る本、ハラハラする本、刺激的な本、心にしみる本をたくさん教えてくれます。
『金原瑞人<監修>による12歳からの読書案内』
金原瑞人監修 すばる舎 2005年12月刊
『金原瑞人<監修>による12歳からの読書案内 海外作品』
金原瑞人監修 すばる舎 2006年12月刊
この他にも、図書館には様々な読書案内の本があります。 |