としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2008年6月掲載
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 たばこ
 今回のテーマは、税率アップ、健康増進法による受動喫煙防止、タスポ対応成人識別たばこ自動販売機の導入と、何かと話題にのぼる「たばこ」です。
 タバコ、たばこ、煙草の表記については、それぞれ、ご紹介する資料の表記に従いました。
 
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たばこ屋さん繁盛記 江戸から平成まで
(TASC双書)飯田鋭三著 山愛書院 2007年4月刊
「たばこ屋さん繁盛記」表紙画像  今年(平成20年)、タスポがスタートし、自動販売機でのたばこの購入に手続きが必要になりました。 一方、昭和40年代、たばこ屋にはいつも看板娘(おばあさん)がおり、愛煙家のために遅寝早起きをがんばるご主人がいたころ、自動販売機は、店の閉まった後にしか使われなかったそうです。
 バスの時刻表を配ったり町の道案内をしたり、たばこ屋は単にたばこを売るだけでなく「街の灯台」として親しまれてきたと著者は言います。
 「ご進物にピース」のコマーシャルが入った配給車。 「今日も元気だ。たばこがうまい!」のスローガンの入ったポスター。 豊富な版画や風俗画、写真からは、たばこがたばこ屋とともに文化として根付いてきた歴史も伺えます。ご一読ください。
  
パイプ
たばこと塩の博物館編集 たばこと塩の博物館 2006年3月刊
「パイプ」表紙画像  パイプをくわえた方に、物語などの世界以外でお目にかかることが少なくなりましたが、本書は、世界にはこんなにたくさんの種類のパイプがあることを教えてくれます。 喫煙道具というよりも、工芸品と呼びたくなるような様々な装飾が施されたパイプがずらりと並んでいます。
 当館では、このほかにも、見ているだけで楽しい『明治民営期のたばこデザイン』(たばこと塩の博物館編集 たばこと塩の博物館 2004年3月刊)など、同博物館編集のたばこ関連資料を所蔵しています。
 
タバコってなんだろう 
北沢杏子著 井上正治絵 岩崎書店 1992年2月刊
「タバコってなんだろう」表紙画像  子ども向けの本書では、文字数は少ないながら、タバコと喫煙についての情報が分かりやすくまとめられており、漢字にはよみがながふられています。
 タバコが世界中に広まり日本でも浸透していった歴史的経緯、タバコの煙とその中に含まれる化学物質が体に与える影響、現代に至り各国地域で起こった様々な問題や運動を紹介しています。
 このほか、喫煙の影響について、様々な年齢層に向けて読みやすくまとめられたものをあげてみました。
 『タバコ (10代のフィジカルヘルス 1)』(加治正行著 笠井英彦著 大月書店 2005年5月刊)
 中学生・高校生の未成年喫煙者の経験談を取り入れながら、依存症状、人体への影響、環境への影響、治療法、タバコ産業と法律についてを簡潔にまとめた1冊。
 『喫煙とお口の健康 タバコの害を知ることが禁煙への近道』 (沼部幸博著 鴨井久一監修 クインテッセンス出版 2002年10月刊)
 図表と写真を多く取り入れながら、喫煙と関わりのある病気、人体への悪影響、口腔への悪影響についてまとめた1冊。
 
スモークバスター たばこを吸い始めないために……
中村正和 高橋浩之著 ぱすてる書房 1991年4月刊
「スモークバスター」表紙画像  スモーク星人の侵略によって、たばこの害からヘルシー星を救うため、五人の勇者が立ち上がった。 医学研究所で修行したのち、秘宝の「スモークバスター」を求めて花と緑の惑星に出発するが、行く手にはスモーク星人が難問を用意して待ち構えていた。
 イラスト満載の本書は、問題を読み解きながら、たばこの様々な問題点が理解できるようになる副読本です。
 子どもたちは大人のたばこを吸う姿を見て、カッコいいと思い、興味本位で吸い始めるケースが多いようです。 最近では、たばこの規制がさらに強化され、愛煙家は肩身が狭いですが、健康について考える意味で、大人の方にも読んでもらいたい一冊です。

  同じテーマでは、DVD「今から始める喫煙防止教育」も所蔵しています。
 
リセット禁煙のすすめ タバコの迷路から脱出し、自由の鐘を鳴らそう! 
磯村毅著 東京六法出版 2006年9月刊
「リセット禁煙のすすめ」表紙画像  この本は、若年者の喫煙に心を痛め、受験生への禁煙指導を始めた著者による新しい禁煙法「リセット禁煙」を紹介しています。 「タバコに関する誤った思い込みをすべてリセットして、タバコの真の姿を理解する」という、この禁煙法についての感想は読む人それぞれですが、タバコ販売や喫煙に関する法律が変わっていく中、現在自分が得ている知識だけにとどまらず、多くの情報を取り入れ、タバコとその影響とは何であるのかをもう一度見つめる必要があるかもしれません。
 
 ほかにも、さまざまな禁煙方法の資料がありますので、一部をご紹介します。

個人の禁煙実践者による禁煙法の紹介や体験談:
ひっそり始める「禁煙」実践ガイド』(高信太郎著 角川書店 2003年9月刊)
たった5日でできる禁煙の本』(林高春[著] 角川書店 2003年7月刊)

医学関係の団体・個人(医師など)による禁煙法の紹介や禁煙支援の事例:
タバコをやめられないあなたへ』 (高橋裕子著 東京新聞出版局 2000年2月刊)
禁煙マラソン 禁煙する人、させる人、そのまた隣りで転ぶ人』(江口まゆみ著 高橋裕子著 ジャストシステム 1998年3月刊)
禁煙・プレゼント ニコチンガムで楽に治療』 (石井周一著 ユーシープランニング 1996年3月)
『ステップ(喫煙プログラム)1. 禁煙の準備 2. 禁煙の実行 3. 禁煙の継続』 (がん予防キャンペーン大阪'91実行委員会 [1991]年刊)

医療従事者など禁煙を支援する立場にある人向けの資料:
禁煙指導の本』 (高橋裕子著 保健同人社 1998年9月刊)

子どもに喫煙させないための禁煙教育の資料:
子どもにゼッタイ吸わせない禁煙セラピー』 (アレン・カー著 阪本章子訳 ロングセラーズ 2003年12月刊)
 
タバコ有害論に異議あり!
名取春彦著 上杉正幸著 洋泉社 2006年12月
「タバコ有害論に異議あり!」表紙画像   「さあ、愛煙家たちよ、マナーを守りつつ、胸を張ってタバコを吸おうではないか。」と呼びかける本書。 「タバコは本当に身体に悪いのか?」「他の人に害を及ぼさない限り、喫煙するかどうかはその人の自由では?」と、「禁煙ファシズム」に疑問を投げかけています。「喫煙したくない人に迷惑をかけない」という条件が記されている点に、時代が感じられます。

 このほか、比較的最近刊行された喫煙派寄りの資料には、次のようなものもあります。

 歩きタバコや人ごみでのタバコに愛煙家の自粛を求めつつ、「喫煙の益」について述べる、『「タバコは百害あって一利なし」のウソ』(武田良夫 著 洋泉社 2007年7月刊)。
 江戸時代に何度も栽培禁止令が出たのは、主食の生産を優先させるためだった、などの逸話を紹介する、『煙草おもしろ意外史』(日本嗜好品アカデミー編 文芸春秋 2002年9月刊)。
 ヨーロッパにたばこが伝来した当時の賛否両論を比較しながら、最後はたばこ賛美の詩を引用して終章する、『万能の薬か高貴な毒か 16世紀のたばこ論争』(サラ・オーガスタ・ディクソン著 たばこ総合研究センター訳 山愛書院 星雲社(発売) 2002年3月)。
映画勇気がわきでるタバコ名場面
米谷紳之介 同文書院 1998年10月刊
「映画勇気がわきでるタバコ名場面」表紙画像  あとがきによると、「煙草を吸わない僕」によって書かれた本書。たばこの煙が苦手な人も、テレビドラマや映画で、出演者達が煙草の煙をくゆらせているのを見るだけなら、気にならないのかもしれませんね?
 本書では、50作の映画の中で、登場人物の気持ちを表現するのに、効果的な小道具として煙草が印象的に使われた名シーンを、写真入りで紹介しています。
 煙草を好きな方も嫌いな方も、映画の「名脇役」、煙草の出演シーンをのぞいてみませんか。
 
 なお、本書に登場した名画には、『ヘッドライト』や『マルタの鷹』など、当館所蔵のビデオやDVDでお楽しみいただけるものもありますので、どうぞご活用ください。
 
助六由縁江戸桜 (NHK DVD・歌舞伎名作撰) (DVD)
市川團十郎 尾上菊五郎出演 松竹株式会社/NHKエンタープライズ発行・販売
「助六由縁江戸桜」表紙画像   黒小袖から赤い襟をのぞかせ、紫の鉢巻をしめ蛇の目の傘を手に舞台上に現れる江戸の伊達男。華やかな着物をまとった遊女たちが、競って差し出す吸いつけ煙管を、迷惑そうに、それでも全部受け取って、自分が吉原に顔を出すと煙管の雨が降る、とうそぶく助六。演じるのは歌舞伎界の二枚目スターと相場は決まっています。
 健康被害があまり知られていなかった時代、小粋でちょいワルな雰囲気をかもし出す小道具として煙草が使われている有名な一場面ですが、このDVDでは、平成15年1月に歌舞伎座で上演された「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」を、通して鑑賞することができます。


作成:資料情報課


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