としょかんせんなりびょうたん
(資料紹介のページ)
2006年11月掲載
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 こころの再生
 近頃は、子どもを巻き込む恐ろしい事件が多発しています。時代が変わっても忘れてはならない大切なことを、今一度確認してみませんか。大阪府では、昨年「こころの再生」宣言を行い「こころの再生」運動を進めています。
 
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アンジェロ
デビッド・マコーレイ作 千葉茂樹訳 ほるぷ出版 2006年5月刊
「アンジェロ」表紙画像  アンジェロの仕事は、古い教会の壁をぬりかえ、彫刻に新しく命をふきこむこと。ある日、弱ったハトを見つけ、仕方なく家に連れて帰った。ぶつぶつ言いながらもハトの世話をしていたアンジェロとハトとの間にいつしか愛情が芽ばえる。ハトは段々元気になるが、アンジェロは段々年老いていき、前のように仕事がはかどらなくなってくる...。
 年老いていくアンジェロを心配するハトと残されるハトを心配するアンジェロとの心の交流を描いた絵本。アンジェロの静かな最期は死への尊厳をも感じさせます。
 コルデコット賞銀賞受賞作家のデビッド・マコーレイの作品ですが、受賞作の『キャッスル』(桐敷真次郎訳 岩波書店 1980年3月刊)とはまた一味違った作品です。
  
みんなのなやみ (よりみちパン!セ)
重松清著 100%Orange装画・挿画 理論社 2004年10月・2005年4月刊
「みんなのなやみ1・2」表紙画像  理論社のホームページの「10代の悩み相談室」のコーナーに寄せられた質問・相談に対して、小説家である著者が回答しました。
 家族のこと、「からだ」と「恋愛」のこと、学校のこと、友達のこと、おとなへの疑問。寄せられた質問・相談はさまざまです。
 著者はこう言います。
 この本は、なやみを消し去るための本ではありません。なやみとの付き合い方を一緒に考えよう。「こんなことになやんでいる自分」になやんでしまうのは、やめよう。
 相談者のこころに寄り添い、真摯に向き合う著者の姿勢がとても素敵な一冊です。

 この他、『オヤジ国憲法でいこう!』(よりみちパン!セ)(しりあがり寿著 祖父江慎著 100%Orange装画・挿画 理論社 2005年7月刊)も、また違ったアプローチからのなやみ相談の本。こちらもお勧めです。
 
いつもいいことさがし
細谷亮太著 暮しの手帖社 2005年3月刊
「いつもいいことさがし」表紙画像  昔は良かった、ということは簡単です。しかし私たちは現在を生きています。
 育児書というより、生き方の提案をしてくれる本書は、長年子どもの生命と向かい合ってきた小児科医である著者によって書かれています。そのため、ゆったり楽しく食事をする、感謝の気持ちを大切にする、などのような実現可能な提案にも経験に裏付けられた深みが感じられます。
 著者は、絵本は「子どもたちにメッセージを送るための大事なメディア」と言い、絵本を媒介にしたエピソードが何度か出てきます。兄弟を病気で亡くした子どもたちに対するメッセージを絵本を通して伝えたり、ご自分で絵本を作ったりされています。
 印象的なタイトルは、著者の愛読書でもあった『少女パレアナ』の中で主人公がする「いいこと探し」から来ているそうです。じんわりと効く良薬のような本書を手に、私たちもいいことさがしをしてみませんか。

ぼくのいのち』(細谷亮太作 永井泰子絵 岩崎書店 1999年4月刊)
少女パレアナ』(ポーター作 村岡みどり訳 小学館 1984年4月刊)
少女ポリアンナ』(岩波少年少女文庫)(エリナー・ポーター作 谷口由美子訳 岩波書店 2002年12月刊)
 
連続シンポジウム『コ・ド・モ?』−見つめ直そう子どもの世界− 
吉永みち子コーディネーター 連続シンポジウム『コ・ド・モ?』編集委員会編 赤ちゃんとママ社 2000年5月〜2001年4月刊
「連続シンポジウム『コ・ド・モ?』」表紙画像  大阪府「「こころの再生」を考える有識者懇話会」の委員でもあった吉永みち子さんがコーディネーターを務める連続シンポジウムの記録集シリーズです。
 子どもの食事と健康、家族関係・親子関係、教育の問題、メディアの影響、子どもの生活圏の問題等について、講演と討論が行われました。
 “子育て社会の再構築”を目指して企画されたこのシンポジウムは、子どもの人となりを形成する要素として“情報”を重視します。
 “情報”の蓄積と提供の拠点でもある図書館も、“子育て社会の再構築”の基盤となるよう、その責務を果たしていかなければなりません。
 
北欧デザインを知る ムーミンとモダニズム(生活人新書)
渡部千春著 日本放送出版協会 2006年1月刊
「北欧デザインを知る ムーミンとモダニズム」表紙画像  昔給食にも使われていた、懐かしい三角形の牛乳パック。スウェーデンのデザインってご存知でしたか? 技術的には可能でも、事故を防ぐために食品以外には使用しないという配慮をしているそうです。
 昨今の北欧ブームは、表面だけでなく、こういった精神が懐かしがられているのでしょうか? こころの再生を考えるのに、北欧関係の本はいかがですか?

北欧のかわいいデザインたち』(pieni kauppa著 ピエ・ブックス 2005年5月刊)

北欧スウェーデンの幸せになるデザイン 』(山本由香著 インターシフト 2005年6月刊)
デンマークデザインの国 』(島崎信著 学芸出版社 2003年9月刊)
島暮らしの記録』( トーベ・ヤンソン文 筑摩書房 1999年7月刊)
ムーミンの哲学』(瀬戸一夫著 勁草書房 2002年6月刊)
ムーミンパパの「手帖」』(東宏治著 鳥影社 1991年12月刊)
ムーミン童話の百科事典』(高橋静男「ムーミンゼミ」編 渡部翠編 講談社 1996年5月刊)
 
大阪農塾2005 「農、その本質を見つめる」(DVD)
映画製作委員会(製作)  2006年4月刊
「大阪農塾2005「農、その本質を見つめる」」外観画像  生きていく上で欠かせない「食」の安全性が問い直される事件・事故が、昨今、相次ぎ、消費者として、生産者として、「食」のあり方を考える資料をお探しの方も増えています。
 そんな中、大阪府有機農業研究会が1995年から開講している「大阪農塾」の、2005年の講義が4枚組のDVDになりました。「作る」85分、「売る」93分、「交わる」72分、「考える」115分の4回の講義がおさめられています。

作成:資料情報課


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