平成20年度OLA児童奉仕実務研修報告
         大阪市立都島図書館 濱岡 愛

今回の研修は、全3回ありました。各回の内容は別表(p.9)をご参照ください。

また事前に以下の2点の課題が出されました。

1.勤務する市町村の小学校1校の学校図書館を見学し、担当教員等から学校図書館の状況や公共図書館に求めることについて聞き、それをまとめる。

2.市町村内の公共図書館の学校図書館の連携の状況についての質問に答える。

と、いうものでした。

この2点のうち、特に1の課題は、学校および学校図書館の状況を知るとてもよい機会となりました。学校図書館を見学したことをきっかけに、児童にとって分かりやすい配架や少ない予算での資料収集についての問い合わせがあり、今回の研修の第1回目での講師や他の参加者からのアドバイスが大変役に立ちました。配架については、冊数が少なく、低学年には難しい内容のものは、大きなジャンルの見出しをつけてまとめるとよい、収集については、児童の学習に必要なものなどと、定評のあるものや児童に人気のあるものをバランスよく収集することが重要で、そのためには学校の教職員全体で収集方針を検討し決定することが必要なのではと、回答しました。

 

さて、第1回では、大阪府内で先進的な連携を行なっている箕面市で、学校司書をされている高木享子氏と、公共図書館で司書をされている鳥越香氏が、それぞれ学校図書館と公共図書館の連携の状況について、報告されました。  

高木氏は、箕面市の学校図書館施策、学校図書館の役割、学校図書館を創るということについて述べられました。同市は、市内全小中学校に学校司書が1名ずつ配置されています。高木氏は、児童の読書普及への支援だけではなく、学習への支援や、教員の授業計画などへの支援も重視されています。教員に学校図書館が役立つ存在であることも訴えるよう心がけておられるそうです。  

鳥越氏からは箕面市立図書館の児童サービスの現状と、学校図書館との連携として、資料の団体貸出、司書の連携学習会についてなどの報告がありました。団体貸出は定期的な配本車で搬送しているそうです。課題として、今後他部局への働きかけを公共、学校が協力して行なっていきたいということなどを話されていました。

第2回は、参加者が2グループに分かれて、事前課題としてまとめたものをそれぞれ発表し、互いに意見を述べ合いました。その後、それぞれの連携についての課題を書き出して発表しました。

それを基に、連携についての考えられるニーズと、それに基づくコンセプトの設定(「1、2年以内にできること」と「5年間で実現できればいいと思われること」の2点)さらに、将来的な展望をまとめるという課題が出されました。

第3回は、第2回の課題について参加者全員で発表し、それぞれについて検討しました。

以上が、今回の研修の概略です。今回の研修で、他の自治体の事例を聞いたり、勤務する自治体の状況と課題とそれを解決するための方策を考えたりする貴重な機会となりました。

ぜひ今後の業務に活かしたいと思います。