_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ _/ _/    中之島図書館メールマガジン _/               第42号  2007/3/22 _/ _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ビジネス支援と大阪資料・古典籍_/_/_/_/_/_/_/_/ ========= ■ 目次 =========  ▽ お知らせ ・3月23日(金)から3月31日(土)まで貴重書(原本)の      閲覧ができません。     ・第76回小展示「平成18年度 新収資料展」     ・平成19年度の蔵書点検のお知らせ  ▼ ビジネス雑誌だより Vol.17     ▽ 平成18年度第4回ビジネスセミナーを開催しました  ▼ 中之島図書館・新着図書紹介                ▽ 蔵書検索ヒント集 検索条件を少なくする    ▼ 本の所蔵を調べる ============= □ お知らせ =============  ○ 書庫の改修のため3月23日(金)から3月31日(土)まで   貴重書(原本)の閲覧ができません。   ご不便をおかけしますが、ご協力をお願いします。   【詳細】     http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/osaka/oshirase.html ○ 第76回小展示「平成18年度 新収資料展」   3階大阪資料・古典籍室1において、平成18年度中に収集した   古典籍・既刊書のうち一部を展示しています。(3月9日〜5月9日)   【詳細】 http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/shotenji/76_sin07.html ○ 5月10日(木)〜5月23日(水)までの期間、蔵書点検を行いますので、 中之島図書館は休館いたします。 府立中央図書館は、この期間中も通常通り開館しています。 【詳細】    http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/date.html ○ 前号の41号ですが、送信時のトラブルにより2通配信されたケースが   ありました。2通届いた方には、ご迷惑をおかけしましたことを   お侘び申し上げます。   今後とも、変わらぬご愛読のほどお願いいたします。 ===================================== ■ ビジネス雑誌だより Vol.17 ===================================== ◆◆法情報  触れからオンラインへ (上)(全三回連載)◆◆  *書名の次にくる( )は請求記号です。  このうち、前に「中央」とあるのが府立中央図書館の所蔵、  特に明記していないものが中之島図書館の所蔵する資料です。   啓蟄を過ぎ春一番が吹き荒れる頃、人々は春の訪れを身近に感じます。  ここ昨今は暖冬異変で実感が湧きませんが、かつては、雪解け水が  そこかしこに溢れたものでした。石坂洋次郎『青い山脈』  (中央L913.6-9001N-イシ)の映画の主題歌は、「若く明るい歌声に/  雪崩は消える花も咲く/青い山脈雪割り桜・・・」でした。  水は高きから低きに流れるのは、自然の事理ですが、いっときの大量の水は、  やはり人為的な配慮が必要となるときもあることでしょう。  「賀茂河の水、雙六の賽、山法師。是そわか心にかなはぬもの」と白河院も  仰せになられたと『平家物語』(913.43-62N-1龍谷大学善本叢書13p102)  にあります。治水・治山などの熟語を考えますと、水をどう制御するかが、  治世・治国の第一歩だったようであります。治国について『大学』には  「修身斉家治国平天下」とあります。  もうひとつのサンズイヘンの漢字に、法があります。  法とは、水を障りなく去らせること、それが法という言葉のおこりである、  という一説があります。治とは、政治的なニュアンスの強い言葉ですが、  水を滞りなく去らせることは、紛争の法的解決を連想させます。  また、雪解けは、和解を連想させます。まさに司法の根源的な言葉として、  この一説には捨て難いものがあります。  『日本人はなぜ水に流したがるのか』(361.42-16N)という本が  ありますが、"水に流す”のと”水を流す”のとは、えらい違いですね。  五代将軍綱吉の時に行われた「生類憐みの令」は、つとに天下の悪法として  聞こえていますが、元禄の世の好景気を背景に、徳川幕府の力が満ちて  いたからこそ強行できたのでしょうか。というよりも、当時の人々に  とって法という意識よりも、お上に従順たれという意識の方がはるかに  強かったものと思われます。それとも「さようしからばごもっともなんで  ござるかしかとぞんぜぬ」と、案外とぼけていたのでしょうか。  そういえば、「お奉行の名さへ覚えずとしくれぬ」『小西来山』  (226-869#)という俳句がありましたねぇ。しかし為政者は必ずしも  「よらしむべし、しらしむべからず」に終始したわけではありません。  大坂を例にとりますと、大坂町奉行から出る命令のうち町触は、  大坂三郷総年寄に伝達され、町年寄を経て町人の請け印形をとって  その伝達の確認を行う確かなものでした。  一方では、高札を設け、その周知徹底をはかりました。享保年間を  例にとりますと、当館の近くでは、高麗橋に高札場がありました。  「諸人存知候ため、三ヶ月之間札にしるし、建置候之間、  三郷町中可触知者也」『住友史料叢書 年々諸用留二番・三番』  p351(210.5-50N-2)という一例があります。  為政者の上意下達ではありますが、法情報はあったとみるべきでしょうか。  尤も、一方通行の上意下達というレベルにおいては、やはり  「よらしむべし、 しらしむべからず」であったということができます。  慶応3(1867)年の王政復古により、太政官布告等が出され  (『法令全書』(446-3#)に収録)、明治16(1883)年4月22日、  官省院庁の達・告示は、官報登載を公式として、同年7月2日(月)  『官報』が太政官文書局から発刊されました。  明治18(1885)年12月28日(月)「布告布達ノ儀自今官報ニ登載スルヲ以テ  公式トシ別ニ配布セス」と官報で布達されました。この法情報媒体としての  『官報』については「国内の官報」(足立寛子『情報の科学と技術』51巻3号、  2001年3月号(P01-16N))が大変参考となります。このほかに私人の刊行になる  ものがあり、当館には『官令全報』(446-249#)や『官令新誌』(446-251#)  があります。  近・現代にあっては、ヒト・カネ・モノの三者が、日常茶飯事に動く社会  ですから、必然的に一定のルールがそこに求められます。また、この三者は、  輪のように循環しながら拡大志向を目指しますから、そこから生じる軋轢に  ついて、司法の判断も重要になってまいります。そこで司法の判断である 判決なかんづく判例が重要視されるのです。  『大審院判決録』(中央・320.9-59)は、明治24年からその内容をみることが  でき、今日では『明治前期大審院刑事判決録』(中央・A1-1329)によって  大審院の判決を明治8(1875)年からみることができます(注:民事判決録は  未所蔵ですが、『裁判粋志』(中央・320.9-19N)あり)。戦前の大審院判例の  使用にあたっては、山野目章夫『初歩からはじめる物権法』(324.2-83N)に  親切な注意書きがあります(pviii)。  明治33(1900)年9月24日創刊の『法律新聞』(中央・P32-69)は、  判例の報道、法律知識の普及を目的としていました。  昭和4(1929)年には末広厳太郎の責任編集になる『法律時報』(雑-309)が  創刊されました。昭和28(1953)年創刊の『判例時報』(雑-2050#)は、  この『法律時報』の姉妹誌ということだそうです。  特筆すべきことは、西洋法受容とともに、大学等における紀要として、  早くから法律雑誌が創刊されたことでしょう。『法学協会雑誌』(中央・P32-2) は明治17(1884)年に、続いて明治20(1887)年『国家学会雑誌』  (中央・雑-704#)が創刊されました。また風雲ただならぬ時代を反映してか、  明治35(1902)年『国際法外交雑誌』(中央・雑-139#)が創刊され、  明治39(1906)年には、『京都法学雑誌』(中央・雑-339#)が創刊されます。  大阪府立図書館は、これまで全国の大学・研究機関等から多大の法律雑誌の  寄贈を受けています。これらの法律雑誌は、西洋法を咀嚼するという過程に  おいて学理的な面に重点をおいて法学を究明したものと思われるのですが  (法律書を読むと、判例がこうで、通説がこうで、有力学説もあるなどとの  記述があり、頭を悩まされることが多々ありますが、現実の事件との  フィード・バックのなかで法が発展・進化を続けているといえるでしょう。)、  ビジネスの世界においては、より実務的に"法務”としての仕事になります。  かくして ”ビジネス法務”ないしは”ビジネス実務法務”あるいは  ”企業法務”という言葉が、一般に定着するようになったのです。  近くは、法科大学院も出現しました。大阪府立図書館にあるビジネス法務雑誌  のすべてをとても紹介することはできませんが、 商法に分類される ものとして、『NBL』(保存は中央・P32-130N)、『金融・商事判例』  (中央・P32-10N)、『旬刊商事法務』(P32-122N)、『News Letter RIBLS』  (中央)があります。  また、国際法として分類されるものとして、『国際商事法務』(P32-124N)、  『JCAジャーナル』(中央・P32-163N)、『国際法外交雑誌』(中央・P32-16N)が  あります。  ”旬刊”と冠するビジネス法務雑誌にはほかに『旬刊金融法務事情』  (中央・P33-30N)があります。新しい情報を迅速に伝えたいということで、  発行回数をふやしたといえます。 ==================================================== □ 平成18年度第4回ビジネスセミナーを開催しました ====================================================   平成18年度第4回ビジネスセミナー「フィルムコミッショナーの仕事」  -フィルムコミッションと地域・観光振興-を3月17日(土)に開催しました。  大変好評につき、定員を当初の50名から90名に増やしました。  当日は79名の方にご参加いただきました。  神戸フィルムオフィス代表田中まこ氏はエネルギッシュな講演で来場者を魅了  されました。  フィルムコミッション(FC)が誘致した映像作品による観光集客効果の  例として、神戸で撮影した韓国ドラマがヒットした際、ロケ地を巡るツアーを  誘致し、韓国の女性誌などに紹介してもらうことによって、韓国のガイドブック  に全く載っていなかった神戸に韓国から観光客がおしよせるようになった事例  などをご紹介いただきました。撮影現場の映像もたっぷりと見せていただき、  満足度の高いセミナーとなりました。  後半では大阪ロケーションサービス協議会大野聡氏の報告に続き、  神戸と大阪でのFCと行政の関わり方の違いなど興味深いトークが展開されました。  アンケートではほとんどの方が「参加してよかった」「FCについてよくわかった」  「大阪のFCをもっと応援したい」など多くの感想をいただきました。  【詳細】   http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/event/bs_0703.html  * 当セミナーは『大阪日日新聞』 3月20日(水)の記事になりました。   ================================= ■ 中之島図書館・新着図書紹介 ================================= 最近2週間の間に、中之島図書館で閲覧可能になった資料の一部を ご紹介します。 このリストに掲載できなかった新着資料については、「新着図書案内」 (http://p-opac.library.pref.osaka.jp/new/)をご覧ください。 貸出中の場合がありますので、ご来館前に資料の状態をお確かめ ください(貸出中の資料は予約できます)。 【ビジネス支援室】 ・「貿易書類」の見方・書き方 実務家の机上にこの1冊!(DO BOOKS)  山口範高著 同文舘出版 2007.2(678.4/164N) http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10020601131695 ・「貿易英語」の使い方 実務家の机上にこの1冊!(DO BOOKS)  荒尾紀倫著 同文舘出版 2007.2(670.9/209N) http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10020601131696  ・・・「実務家の机上にこの1冊!」と銘打った「実践キャリアアップシリーズ」です。  貿易の契約、通関、決済についての各種書式が書かれた第2弾。オファー、  売買契約、クレーム等、メールでやりとりするための英文を紹介した第3弾。  第1弾『「貿易実務」の仕事』(678.4-163N)はすでに所蔵しています。 ・商業施設計画総覧 明日の流通が見える1400プロジェクトの全貌  産業タイムズ社 2006.12(673.8/305N 館内閲覧のみ) http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10020601130884  ・・・「まちづくり三法」の施行に関する解説と主要53社の企業戦略、全国の  商業施設の計画とホテル業界の動向を網羅してます。「明日の流通が見える」  1冊です。 ・チラシデザイン講座 仕事に使える現場のテクニック(MdN DESIGN BASICS)  芳賀正晴著 エムディエヌコーポレーション 2007.2(674.7/54N) http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10020601135395  ・・・普段よく見るちらしも自分でデザインするのはなかなか大変なもの。  そんなちらしのデザインのテクニックを伝える本。「配置」「文字」「画像」  など6つの項目からなり、よくない事例も並べて紹介されている。  ちらしを作る必要のない人も楽しめる1冊です。 【大阪資料・古典籍室】 ・上方テレビ美術事始め/阪本雅信著  清風堂書店出版部 2006.12(699.6/222N) http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10020601101807  ・・・関西最初の民放テレビ局「OTV大阪テレビ放送・JOBX-TV」。  この局の足跡については、日本のテレビの歴史は勿論、関西の文化史の  中でさえほとんど欠落しています。そんな大阪で初めてテレビ美術に  取組んだ者たちの試行錯誤、悲喜交々の歴史をいくらかでも記録に  遺しておきたいとこの本が出版されました。  関西のテレビ美術の歴史がわかります。 ・中小企業者の手引き 平成18年度版 大阪府商工労働部産業労働企画室  総務企画課企画グループ 2006.11(335.3/98N 館内閲覧のみ) http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10020601106197  ・・・大阪府の制度を中心に、近畿経済産業局など国の機関、府内市町村、  商工会、商工会議所など関係機関の支援策が、目的別にとりまとめられています。  資料編には、大阪府商工労働部の組織一覧、出先機関、商工会議所の一覧、  府内市町村の中小企業施策の案内なども掲載されています。 ・明治大阪の錦絵新聞 大衆ジャーナリズムの開花/土屋礼子監修,  伊丹市立美術館編集 伊丹市立美術館 c2006(070.2/168N) http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPLIB/webopac/kensaku/kensakuSyousai.jsp?tilcod=10020601131983  ・・・伊丹市立美術館で開催された展示の図録です。当館も所蔵の錦絵新聞を  出品しました。文明開化で華やぐ明治初期、東京や大阪では多くの新聞が  欧米に倣って発刊されました。この大阪の錦絵新聞が展示され、江戸と  明治の文化がクロスした大阪の大衆ジャーナリズムの世界が紹介されました。 ================================================== □ 蔵書検索ヒント集 検索条件を少なくする ==================================================  「府立図書館に所蔵があるはずなのに、検索してもヒットしない」  こうしたお問合せはカウンターにもしばしば寄せられます。  うまくヒットしない場合によくあるケースから、検索のヒントを  ご紹介します。  検索のヒント <検索条件を少なくする>  探している本が決まっているときは特に、書名や著者、出版社、  出版年など分かっていることをたくさん入力したくなりますが、  そのためにうまくヒットしないことが、実はよくあります。  どれかひとつでも入力間違いがあると正しい結果が表示されないため  ですが、「入力間違い」といっても、誤変換やスペルミスだけでなく、  例えば「どう生きるのか」という書名だと思っていたものが実際は  「どう生きるか」だったり、著者名の漢字を勘違いしていたり、  いろいろなケースがあります。  たくさんの条件を指定すると、入力間違いも多くなり、またどの  項目が間違いなのかを見つけるのがむずかしくなります。  そんなときは、当たり前といえば当たり前ですが、検索条件の数を  少なくしてみるとすっと検索できることがあります。  最初は、1つか2つの条件で検索して、それでたくさんヒットしすぎる  ようならば順番に条件を追加していく、という感じで検索してみて  ください。  府立図書館の蔵書検索では、その単語「で始まる」(前方一致)や、  その単語「を含む」(中間一致)といった検索も可能です。  書名などは、書名のすべてを入力するのではなく、ある程度絞り込めそうな  くらいまで入力して「で始まる」検索をしたり、単語に区切って「を含む」  検索をしてみるのも有効です。  書名だけで3つまで条件を入力できますので、ヒットしすぎる場合は、  単語を追加してみてください。  蔵書検索の使い方については、次のページもご覧ください。  大阪府立図書館 蔵書検索システムについて   http://www.library.pref.osaka.jp/help.html ==================== ■ 本の所蔵を調べる ====================  大阪府立図書館蔵書検索   http://p-opac.library.pref.osaka.jp/osp_search.html  携帯版蔵書検索   http://p-opac.library.pref.osaka.jp/OSPMBL/mobile/search/inp_cond.jsp  横断検索(大阪府内の公共図書館等の所蔵が一度に検索できます)   http://www.library.pref.osaka.jp/cgi-bin/book.cgi  新着資料一覧(大阪府立図書館の新着図書をお知らせしています)   http://p-opac.library.pref.osaka.jp/new/ ---------------------------------------------------------------  >> 次回は4月4日(水)発行予定です。 --------------------------------------------------------------- ◇ このメールマガジンは、ご登録を頂いた方に送信しています。 ◆ メールマガジンの登録、解除はこちらから。   http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/m_index.html ◇ このメールは配信専用です。お問合せは電話(06-6203-0474)まで。 ◆ 編集発行 大阪府立中之島図書館 広報委員会メールマガジン担当            大阪市北区中之島1丁目2番10号 / TEL 06-6203-0474            http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/            http://www.library.pref.osaka.jp/m/nakanoshima/ (携帯用) --------------- 中之島図書館メールマガジン  第42号(2007/3/22)---