石井桃子略年譜(1907-2008)



西暦年月(年齢)  出来事と主な作品
1907年3月(0) 3月10日、埼玉県浦和市に生まれる.
1913年4月(6) 埼玉県立女子師範付属小学校入学.
1919年4月(12) 埼玉県立浦和高等女学校入学.
1924年4月(17) 日本女子大学校入学.
1928年3月(21) 日本女子大学校英文学部卒業.
1929年12月(22) 文藝春秋社勤務.雑誌記者になる.
1932年  (24) 犬養毅(木堂)の蔵書整理を始める.
1933年12月(26)
文藝春秋社退社.
12月24日,犬養家で『プー横丁にたった家』の原著
“The House at Pooh Corner,1928” に出会う.
1934年6月(27) 新潮社の「日本少国民文庫」の編集に携わる.
1936年12月(29) 『日本年国民文庫15』に「一握りの土」「わが橇犬」を訳す.
1938年   (31) 旧友が亡くなり、荻窪の家を譲り受ける.
四谷・信濃町の犬養家の書庫を借り、児童図書館「白林少年館」を始める.
1940年  (33) 白林少年館・出版部を友人と作る.
    11月 白林少年館より『たのしい川邊』(ケネス・グレアム作 中野好夫訳)発行.
    12月 石井桃子訳『熊のプーさん』(岩波書店)出版.
1941年1月(33) 白林少年館より『ドリトル先生「アフリカ行き」』(ロフティング作 井伏鱒二訳)発行.
1942年6月(35) 石井桃子訳『プー横丁にたった家』(岩波書店)出版.
『ノンちゃん雲に乗る』を書き始める.
1945年  (38) 秋田県の女学校の教師に請われ、生徒に国語を教える.
    8月(39) 宮城県栗原郡鶯沢村で開拓農業を始める.
1947年2月(40) 『ノンちゃん雲に乗る』(大地書房)出版.
1948年3月(41) 「トムの教育」を『少年少女』3月号(中央公論社)に発表.
1950年5月(43) 岩波書店の嘱託になる.
    12月 「岩波少年文庫」5冊創刊.(『宝島』『あしながおじさん』『クリスマス・キャロル』「ふたりのロッテ」「小さい牛追い」).
1951年3月(43) 『ノンちゃん雲に乗る』によって第1回芸術選奨文部大臣賞を受ける.
    4月(44) 『ノンちゃん雲に乗る』(光文社)再刊.
1953年3月 児童文学の啓蒙、発展につくした功により菊池寛賞を受ける.
    12月(46) 「岩波の子どもの本」創刊.(『ちびくろ・さんぼ』『ふしぎなたいこ』など).
1954年5月(47) 岩波書店退社.
     8月 ロックフェラー財団の奨学金を受け、子どもの本の出版と児童図書館の視察にアメリカへ留学(~1955年9月まで).
1955年6月(48) 『ノンちゃん雲に乗る』映画化.
1956年12月(49) 『やまのこどもたち』(深沢紅子絵 岩波書店)出版.
1957年8月(50) 家庭文庫研究会をつくる(~1964年12月まで).
    10月 『山のトムさん』(光文社)出版.
1958年3月(50) 3月1日、荻窪の自宅で「かつら文庫」を始める.
    7月 東京朝日新聞(夕刊)に『迷子の天使』の連載始める(11月まで全132回).
1959年6月(52) 『迷子の天使』(光文社)出版.
1960年4月(53) 『子どもと文学』(共著.中央公論社)出版.
1961年9月(54) カナダの「ストーリーテリング大会」に参加.アメリカ,カナダ,イギリス,オランダ,スウェーデンを旅行.この時、コルウェル女史とファージョンの自宅を訪ねる.
1962年2月(54) 「欧米三ヵ月の旅」を『図書』(岩波書店)に連載
(1962年2~7月号まで).
1964年4月(57) 『児童文学論』(リリアン・H・スミス著 岩波書店)を翻訳(共訳).
    6月 石井桃子訳「ちいさなうさこちゃん」(ディック・ブルーナ著 福音館書店)シリーズ始まる.
1965年4月(58) E.ネスビット作「線路ぎわの子どもたち」を『子とともに』(愛知県教育振興会)に翻訳連載(1965年4月号~1966年3月号まで全12回).
    5月 『子どもの図書館』(岩波書店)出版.かつら文庫7年間の活動をまとめる.
1966年4月(59) E.コルウェル著「私が児童図書館員になるまで」を『こどもの図書館』(児童図書館研究会)に翻訳連載(1967年3月まで全6回).
1968年5月(61) 『子どもと本の世界に生きて』(E.コルウェル著 福音館書店)翻訳出版.
1971年  (64) 石井桃子訳「ピーターラビット」(ビアトリクス・ポター著 福音館書店)シリーズ始まる.
1972年  (65) イギリス旅行.ファージョンゆかりの地を訪問.サトクリフ訪問.帰途,トロントにジーム・トンプソンを見舞う.
1973年1月(66) 「1972年初夏イギリスへの旅」を『図書』(岩波書店)に連載(1973年1~12月号まで).
1974年1月(67) 「東京こども図書館」が財団法人の認可を受ける.
1976年5月(69) カナダのブリティッシュ・コロンビア大学図書館学会主催「環太平洋児童文学会議」に出席.家庭文庫の活動について講演.トロント,ボストン,ニューヨーク訪問.
1977年4月(70) 「幼ものがたり」を『子どもの館』(福音館書店)に連載(1977年4月号~1978年5月号まで)
1979年  (72) トロントへ.ほるぷ出版の仕事でオズボーン・コレクションの調査.
1981年1月(73) 『幼ものがたり』(福音館書店)出版.
    3月 『児童文学の旅』(岩波書店)出版.
1984年5月(77) 大阪国際児童文学館で講演「子どもの本がひらくとき」.
大阪国際児童文学館で「はばたけ児童文学-石井桃子の世界から」展示(5月10日~15日)
第1回子ども文庫功労賞(伊藤忠記念財団)受賞.
1993年3月(86) 日本芸術院賞(第2部 小説)を受賞.
1994年2月(86) 『幻の朱い実(上・下)』(岩波書店)出版.
1995年2月(87) 『幻の朱い実』で第46回読売文学賞(小説賞)を受賞.
    6月(88) 『グレイ・ラビットのおはなし』(アリソン・アトリー著 岩波書店)中川季枝子と共訳出版.
1996年10月(89) 東京子ども図書館「石井桃子奨学研究助成金」を設置,募集.
1997年7月(90) NHK教育テレビ「21世紀の日本人へ・子どもの本は家族の記憶・作家・石井桃子」放送.
    12月 日本芸術院の会員になる.
1998年4月(91) 4月19日,かつら文庫40周年記念(開設当初の人たちが集まる).
    9月 『石井桃子集』(岩波書店)刊行開始.
1999年3月(92) 『石井桃子集』(全7巻)刊行完結.
2003年12月(96) 『ミルン自伝 今からでは遅すぎる』(A.A.ミルン著 岩波書店)を翻訳出版.
2004年10月(97) 『ミルン自伝 今からでは遅すぎる』が第40回日本翻訳出版文化賞・翻訳特別賞に選ばれる.
2006年11月(99) 『百まいのドレス』(エレナー・エスティス著 岩波書店)改版.
2008年1月(100) 朝日賞受賞.
    4月(101) 4月2日 永眠.


     参考文献:『資料でみる石井桃子の世界 改訂版』(小寺啓章 2008)
     『石井桃子集7』(石井桃子 岩波書店 1999)