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中国2010年上海万博
開幕をひかえて

特設展示

2009.10.27〜11.15
大阪府立中央図書館1階にて

来年5月から、中国の上海市で万国博覧会が開催されます。
テーマは

より良い都市、より良い生活
Better City ,   Better Life

入場者数は、史上最大の7000万人が想定されています。
この万博に、大阪府と大阪市は共同で「大阪館」を出展します。

これを記念して、本展示では上海万博や上海市のPRポスターをご紹介するとともに、大阪府立中央図書館が所蔵する万博関係資料コレクションの中から、過去に開かれた万博における「日本館」について貴重な記録資料などを展示します。

なお、９月から当館4階人文系資料室では、上海図書館からご寄贈いただいた中国関係図書約600冊を置く「上海の窓」コーナーを常設しています。

主催：大阪府立中央図書館　 協力：上海万博大阪出展実行委員会 上海市旅遊局

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I　ロンドン万国博覧会

1862年5月1日〜11月15日

ロンドンで開催された2回目の万国博覧会。万国博覧会としては4回目となる。ロンドンのケンジントンを会場に開催された。この時はまだ日本からの正式な出展はなかったが、駐日イギリス公使のオールコックが収集した日本の美術工芸品が展示されている。
会期中に幕府の遣欧使節団が会場を訪れており、日本人が最初に見学した博覧会でもある。
この使節に参加していた福澤諭吉は『西洋事情』の中で博覧会について説明している。

II　ウィーン万国博覧会

1873年5月1日〜11月2日

ウィーンのプラーター公園で開催された万国博覧会。皇帝フランツ・ヨーゼフ一世の治世25周年を記念して開催された。日本政府が初めて参加した万国博覧会でもあり、西欧の技術を積極的に吸収し、日本の近代化に大きな影響を与えた。この頃の万国博覧会では独自の参加国パビリオンは建設されず、日本政府の出展物も中心の円形ドームに展示されていた。
これとは別に日本の「売店」として日本パビリオンが建設された。「澳国博覧会場日本社園並附属日本植物園全図」（『澳国博覧会参同記要』）から、鳥居をくぐって売店、その奥に日本庭園を配したパビリオンであったことがわかる。

III　アラスカ・ユーコン太平洋博覧会

1909年6月1日〜10月16日

開催地シアトルを中心とした太平洋地域の商業・貿易の活性化を目的に開催された博覧会。『阿雄太平洋博覧会みやげ』の冒頭に「即ち本博覧会は其目的とせる處に従ひ単に之れを万国商業博覧会と見るを正当なり」（1頁）と記す。背景には、ロシアから安い値でアメリカに買収されたアラスカがゴールドラッシュに象徴される資源に富む土地であり、ユーコン地方（英領カナダ）とともに単なる極寒の地という「誤解を一掃」する目的もあった。
日本からは政府の「日本館」の他、日光館や静岡喫茶店などが出展している。
『阿雄太平洋博覧会みやげ』はシアトルで発行されたもので、広告も在シアトル日本人の店のものが多く掲載されている。

IV　パナマ太平洋万国博覧会

1915年2月20日〜12月4日

パナマ運河の開通を記念して開催された博覧会。同時に太平洋の「発見」400年祭も兼ねていた。開催地はカリフォルニア州サンフランシスコ。
この博覧会で日本政府は日本庭園内に金閣寺を模した接待館を建設している。その他にも興行師の建てた日本のパビリオンがあった。「JAPAN BEAUTIFUL」と称し、入口上に鎌倉の大仏を配し、各種売店、飲食店、遊戯場、劇場が入った。

V　万国科学工業海洋殖民博覧会

1930年5月3日〜11月3日

ベルギーの独立100年を記念して開催された博覧会。リエージュで「産業科学」万国博覧会、アントワープで「海洋殖民」万国博覧会が開かれた。
日本館はリエージュの方に建設された。報告書によれば、日本は相当の面積を有する特設館を設け、美術・工芸の他、理化学機械や電気機械といった「科学的出品」を初めて試みた。

VI　進歩の世紀・シカゴ博覧会

1933年5月27日〜11月12日

シカゴ市制100年を記念して開催された博覧会。「進歩の世紀」はこの時初めて使用された博覧会の公式テーマ。開拓時代を経たシカゴのこれまでの100年とこれからを展望するという意味で採用された。
参加各国が現代建築を取り入れた中、日本の伝統建築によるパビリオンは好評を博したという。

VII　ニューヨーク万国博覧会

1939年4月30日〜10月31日　1940年5月11日〜10月27日

　初代大統領ワシントンの就任150年を記念して開催された博覧会。テーマは「明日の世界の建設」。会期中の1939年9月1日に第二次世界大戦が勃発したが、入場者数は4500万人を数え、戦前期最大の万国博覧会となった（現在までの万国博覧会で最大は大阪の6400万人。上海万博では7000万人の入場者を想定している）。
「ナイロン、プラスチック、テレビ、テープレコーダーなど新しい技術開発の成果が数多く展示され、生活と産業のあり方を予言」したという（『万国博の日本館』 INAX 1990年 81頁）。

VIII　ブリュッセル万国博覧会

1958年4月17日〜10月19日

�Zのニューヨーク万国博覧会以来、第二次世界大戦後初めての万国博覧会。テーマは「科学文明とヒューマニズム」。科学の急速な進歩とそれに起因する非人間化に対する人間性の復活を訴えた。
日本館のテーマは「日本人の手と機械」とし、機械と取り組んだ日本人の手による戦後復興と将来に果たすべき文明への貢献を示す展示がおこなわれた。

IX　モントリオール万国博覧会

1967年4月28日〜10月29日

カナダの独立100年を記念して開催された博覧会。テーマは「人間とその環境」。参加国61カ国、入場者数5000万人を超えるこれまで最大の博覧会となった。
日本にとっては大阪での日本万国博覧会へと続く万博であり、長蛇の列や公共施設、レストラン不足などの問題点が我が事として充分留意すべきものとして捉えられた。

参考文献：
『大阪府立図書館蔵 万国博覧会関係資料目録』 大阪府立図書館　1971　【606.9/9】
『万国博の日本館』INAX booklet vol.10 ��1　INAX　1990　【606.9/5N】
各博覧会の報告書