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大阪府立中央図書館 国際児童文学館「特別研究者」 平成30年度の成果報告について

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更新日:2020年11月20日


平成30年4月1日から平成31年3月31日までの1年間にかけて実施した特別研究者の研究成果をご報告します。

個人

名前 所属団体(当時) 研究テーマ 発表方法等 発表の概要
町田理樹 美学会 谷川俊太郎の”子どもの詩” 発表方法:商業雑誌の書評
『季刊びーぐる 詩の海へ』40号(発表年月:2018年7月20日発行)発表タイトル:「オノマトペ、あるいは世界の発見」
谷川俊太郎とグラフィックデザイナー・佐藤可士和による絵本『えじえじえじじえ』(クレヨンハウス 2017.4)についての書評。
遠藤知恵子 白百合女子大学(非常勤講師) 武井武雄および童画の研究 発表方法:研究発表
「日本児童文学学会第57回研究大会
(発表年月:2018年11月25日 文教大学越谷キャンパス)発表タイトル:初山滋、挿絵の方法論 1916年から1923年の作品より
国際児童文学館の所蔵資料である雑誌『女学生』に掲載された初山滋の挿絵を中心に扱い、初山の挿絵の方法論を考察した。初期作品の署名の変遷から初山の画家としてのアイデンティティ形成時期を割り出した上で挿絵を論じる。
生駒幸子 龍谷大学短期大学部(准教授) 戦中戦後の翻訳絵本 発表方法:論文
『白百合女子大学児童文化研究センター 研究論文集22』
(発表年月:2019年3月)発表タイトル:絵本翻訳の変遷についての考察―光吉夏弥の絵本翻訳の独自性―
終戦1945年8月から1953年12月(〈岩波の子どもの本〉以前)までの翻訳絵本について翻訳方法を調査した結果、光吉の絵本翻訳(絵の逆版を伴う編集方法)が独自性を有していたことが明らかになった。
同上 発表方法:学会発表
『第22回絵本学会大会』
(発表年月:2019年6月1日)発表タイトル:光吉夏弥による児童書翻訳 ―蔵書整理カードに着目して―
白百合女子大学児童文化研究センターに所蔵されている光吉夏弥の遺した児童書資料のうち、蔵書整理カードを検討し、それらが光吉の得た作家作品についての情報を整理したカードであることを明らかにした。
葉口英子 ノートルダム清心女子大学(准教授) 教育テレビと子どもの歌、幼稚園・保育所の放送教育、テレビ文化と子ども 発表方法:論文
『環境と経営』24巻2号(静岡産業大学論集)(発表年月:2018年12月1日)発表タイトル:テレビ時代の放送教育にみる幼児番組の成立と浸透―NHK教育テレビ『幼稚園・保育所の時間』の音楽番組を事例として―
本研究は、テレビ時代を本格的に迎えた日本において、1958年から2006年にわたって放送されたNHK教育テレビ番組『幼稚園・保育所の時間』の音楽番組を対象に、その歴史と概要を調べ、内容や制作・受容の場の特徴を明らかとした。
同上 発表方法:報告書
NHK番組アーカイブス学術利用トライアル2018年度第4回トライアル報告書(発表年月:2019年5月15日)発表タイトル:教育テレビ番組『幼稚園・保育所の時間』の音楽番組の内容分析―『なかよしリズム』にみる音楽とパフォーマンス分析―
本研究は、NHK教育テレビなかよしリズム』を調査対象とし、「歌・楽曲・楽譜・キャスト・ねらい」をデータとして整理した。番組の編成や内容がどのように変化したか、通時的変容を現存する映像資料により解読する分析をおこなった。
同上 発表方法:論文
『環境と経営』25巻1号(静岡産業大学論集)(2019年6月1日)発表タイトル:
初期の幼児向け音楽番組はいかに制作されたか―NHK教育テレビ「幼稚園・保育所の時間」を事例として―
本研究は教育テレビ番組『なかよしリズム』(1966-1988年)の音楽と映像の内容分析をおこない、番組に登場した歌のタイトルやその映像での提示のされ方、演出等に触れ、番組がいかに幼稚園や保育園での実用に向けたコンテンツの作成を試みたか、検証した。
同上 発表方法:学会発表
日本子ども社会学会第26回全国大会
(発表年月:2019年6月29日 東京成徳大学東京キャンパス)発表タイトル:「テレビ時代の幼児向け音楽番組を再考する―『なかよしリズム』(1966年-1987年)を事例として―」
本研究は1966年度から1987年度まで放送されたNHK教育テレビ番『なかよしリズム』に着目し、番組テキストと映像資料の分析を通じて、その実態を把握すると同時に通時的変遷を調査した。番組内容の特徴と進展の経緯を確認し、テレビ全盛期の時代の中で幼児向け音楽番組がどのような教育観や放送教育観に支えられたものだったのか、を考察した。
同上 発表方法:報告書
放送文化基金平成29年度[人文社会・文化]助成研究報告書
(発表年月:2019年6月30日)発表タイトル:NHK教育テレビ枠『幼稚園・保育所の時間』の音楽番組が幼児教育の〈音楽リズム〉領域に与えた影響について
本研究は、1953年以降のNHKテレビ放送にみる幼児向けの番組と音楽番組に着目した。その結果、制作者は学校放送、教育放送である点を尊重しながらも、テレビ放送の黎明期にさまざまな取り組みをした経緯が見受けられた。幼児向け番組の制作は、教科主義とは一線を画した点が強くあらわれた。
同上 発表方法:学会発表
第16回子ども学会議(日本子ども学会学術集会)
(発表年月:2019年10月26日, 首都大学東京南大沢キャンパス)発表タイトル:
教育テレビは幼児にいかなる歌・音楽を与えたか―『なかよしリズム』を事例として―
本研究は1966年から1988年に放送された『なかよしリズム』を対象に、テレビが大きな影響力をもつメディアとして浸透した時代にあって、番組がどのような幼児の歌・音楽を生産してきたのかを説明する。

グループ

  • グループ名:明治ポンチ本研究会
  • メンバー:代表者 野田謙介(学習院大学大学院)、鈴木麻記(東京大学大学院)、新美琢真(日本マンガ学会、川崎市市民ミュージアム学芸員)、 三輪健太朗(学習院大学院)、斎藤宣彦(学習院大学、明治大学米沢嘉博記念図書館) ※所属団体(当時)
  • 研究テーマ:「マンガ」概念および表現方法の歴史的変遷について
発表内容
発表タイトル 発表方法等 発表の概要
発見!「明治ポンチ本」 明治末期の出版流通空間 発表方法:国際児童文学館資料展示
(発表年月:2018年8月1日~10月31日)発表者:鈴木麻記
明治後半、題名に「ポンチ」という言葉の入った小型の本が集中的に刊行された。
本展では、これらの資料を「明治ポンチ本」と総称し、その歴史的位置づけを明らかにした
Where Media changed the perception of social space: the construction of “Manga” field since 1900 発表方法:学会発表
Concordia University(発表年月:2019年2月2日)発表者:鈴木麻記
漫画の社会的な位置付けの変遷を明治期から昭和戦前期にかけて考察した。具体的には、「報道」「美術」「出版」のそれぞれの文脈で、漫画がどのような場に置かれていたのかを分析した。出版という領域における漫画本の位置づけの一つの事例として、明治ポンチ本を扱った。
のらくろであります! 田河水泡と子供マンガの遊園地<ワンダーランド> 発表方法:展覧会
川崎市市民ミュージアム(2019年9月18日~11月24日 台風19号の被害により10月12日までで開催中止)
展覧会図録発行(2019年9月)発表者:新美琢真
本展は、明治からの戦後直後までの子供マンガの歴史を紐解き、田河水泡とのらくろという作品が、マンガの表現と歴史に与えた影響を概観したものである。
明治ポンチ本研究会において調査した、明治ポンチ本から戦前・戦後期の赤本マンガへと繋がる赤本という文化と、赤本業者たちの系譜が盛り込まれ、本展開催の大きな一助となった


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