大阪府立図書館

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大阪府立図書館の活動評価~令和3年度のまとめ~

更新日:2022年10月7日

[PDFファイル/598KB]

 令和元年度からの4年間を評価期間として取り組んできた第四期活動評価は3年目となりました。1年目の2月から影響が出始めた新型コロナウイルス感染症拡大(以下、「感染拡大」という)により、2年度当初の臨時休館に続いて3年度もまた、4月25日から6月20日まで人流抑制のために臨時休館となりました。たとえ来館してのご利用は叶わなくとも、必要とされる情報を何とかして提供しようと、オンラインでの研修やSNSによる情報発信等を続けました。どのようなサービスがウィズコロナ時代に必要とされるのか、今後とも利用者目線に立って追求してまいります。

「基本方針1」
府立図書館は、市町村立図書館を支え、大阪府全域の図書館サービスを一層充実させます。

「府域市町村の他館からの借受状況 3年度」グラフ
【府域市町村の他館からの借受状況 3年度】

 2年度に試行運用を開始した大阪府域図書館グループウェアを本格実施し、府域図書館間ネットワーク機能の強化・充実を図りました。市町村立図書館から府立図書館への定型の連絡・申請が効率化したほか、アンケートや掲示板機能による情報交換でも活用が広がりつつあります。

府域図書館職員等を対象とした研修は、集合形式だけでなく、動画配信形式での開催も継続して行いました。動画配信による研修は受講のし易さから多数の参加申込みがあり、2年度に引き続き好評でした。

府民を対象とした地下書庫見学ツアーや学校の団体利用における見学対応においても、感染拡大防止のため、事前に書庫の説明動画をご覧いただいた上で、静かに地下書庫内を案内する方法をとるなど工夫して実施し、好評でした。

「基本方針2」
府立図書館は、幅広い資料の収集・保存に努め、すべての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。

情報活用講座
【情報活用講座】

 「紙・電子媒体資料統合提供調査チーム」では、府域でも導入館が増えた電子書籍貸出サービスに関して、導入済み4自治体への聞き取り調査をオンラインセミナー形式で行い、19自治体20館(室)からの参加を得ました。他にもデジタル化資料の提供に関する情報収集を継続して行っています。
利用者向けのサービスでは、2年度の5月に開始した着払いによる郵送貸出サービスを、3年度も引き続き多くご利用いただきました。

同じく2年度5月に開始したオンラインによる視覚障がい者への対面朗読サービスも好評で、継続して利用されています。

ビジネス支援サービスでは、募集人数を絞り、会場での感染拡大防止にも努めながら、ビジネスセミナーを実施しました。臨時休館や書庫建替工事で会場が使用できなかった期間もあり、連携先からの講師派遣の調整にも時間を要しましたが、オンライン開催や動画配信も実施するなどして15回開催いたしました。

「基本方針3」
府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実に努めます。

シンデレラ本 いま・むかし展
【シンデレラ本 いま・むかし展】

 臨時休館中、こども資料室ではぬいぐるみによる科学実験や工作の動画を作成し配信しました。国際児童文学館とこども資料室が毎年実施している講座「講演と新刊紹介」は、3 年度も動画配信により実施しました。日本全国から 1,143 名の申込みがあり好評でした。

2年度末に策定された「大阪府読書バリアフリー計画」をふまえ、「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」展を企画し、点字つき絵本やさわる絵本、マルチメディアデイジー図書や視覚障がい者用の読書機器類を展示しました。また、公立図書館と学校との合同研修「読書のバリアフリーのための支援資料について~『わいわい文庫』の紹介~」の参加者にも展示をご覧いただきました。

「第4次大阪府子ども読書活動推進計画」をふまえ、併せて、新たな非来館型サービスの試みとして、高校生のための図書館講座LibCo(りぶこ)の動画版をYouTubeで配信しました。また、府立聴覚支援学校へのヒアリングの結果、手話による出張ブックトークを初めて実施しました。子どもたちの反応もよく、今後も続けていきたいと思います。

国際児童文学館は、大阪国際児童文学振興財団元理事長(現在は特別顧問)の三宅興子さんより2年度に寄贈を受けた資料の中から、「シンデレラ本 いま・むかし」として1800年代に出版された貴重な本やしかけ絵本、パロディ絵本など、多様なシンデレラ本の展示を行いました。アンケートでは「古今東西の貴重なシンデレラコレクションが一堂に見られて良い展示だった」「絵本というより芸術作品を見ているようだった」等の感想をいただきました。

「基本方針4」
府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。

「福沢諭吉店」展示資料より『学問のスゝメ』
【「福沢諭吉展」展示資料より『学問のスゝメ』】

 「おおさかポータル」は、データ作成を着実に行うとともに、外部機関との連携に向けた取組を進めました。機能改修により対話形式での入力が可能になり、データ登録・修正が容易にできるようになりました。

電子資料検索システム「おおさかeコレクション」では、特別コレクション「三井文庫」「森田文庫」「近世活字本」計約4,000件の資料を追加し、その他貴重図書未公開分のうち、「甲和」約2,600点を公開しました。

指定管理者との資料展示、講演会、古文書講座等の共同企画事業は、引き続き、感染拡大防止に万全を期しつつ取り組みました。特別展として、7月には「古典籍でみる江戸時代の大坂」を、また、2021年が福澤諭吉の没後120年に当たることを受けて1・2月には「没後百二十年 福澤諭吉 江戸~明治期の日本人が見た「世界」」と題して開催しました。高校生を対象としたイベント「なにわタイムとらべる」は、集合形式での実施を見送り、中之島図書館の概要や江戸時代の和装本を紹介する動画を作成し、YouTubeで配信しています。

「基本方針5」
府立図書館は、府民に開かれた図書館として、地域の魅力に出会う「場」と機会を提供します。

府立中央図書館内装の木質化
【府立中央図書館内装の木質化】

 両館とも感染拡大防止に留意しつつ、歴史に関する連続講演会をはじめとした生涯学習事業や展示事業、さらには指定管理者との共同企画等に取り組みました。また、情報発信強化としてインスタグラムを新たに導入するなどにより、結果的に、参加者数など目標に満たない項目があったものの満足度調査では目標値を超えています。

また、中央図書館においては、大阪府内産木材利用促進モデル整備等事業として、カフェ・展示コーナーの木質化工事を行い、「場」の魅力の向上を図りました。

今後ともウィズコロナの状況や中之島図書館の書庫建替工事に係る施設の状況等を踏まえつつ、企画の工夫などを重ねたいと考えています。

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