大阪府立図書館

English 中文 한국어 やさしいにほんご
メニューボタン
背景色:
文字サイズ:

大阪府立図書館の活動評価~令和2年度のまとめ~

更新日:2021年9月28日


大阪府立図書館の活動評価~令和2年度のまとめ~

掲載日:2021年9月28日更新

[PDFファイル/321KB]

大阪府立図書館が取り組んでいる第四期活動評価は2年目を迎えましたが、令和元年度2月以降、対策を講じ始めた新型コロナウイルス感染症拡大(以下、「感染拡大」という)の影響により、前年度3月2日から引き続き5月15日まで臨時休館することとなりました。5月16日以降は「大阪府における感染拡大防止に向けた取組」の考え方に基づいて段階的に利用サービスを再開するとともに、感染拡大防止策を講じたうえで講演会や展示等を実施するほか、オンラインでの対面朗読に取組むなど、新しい生活様式の下での図書館活動のあり方を模索する1年となりました。

「基本方針1」
府立図書館は、市町村立図書館を支え、大阪府全域の図書館サービスを一層充実させます。

「府域市町村の他館からの借受状況 2年度」グラフ
【府域市町村の他館からの借受状況 2年度】

府域図書館で元年度末からの臨時休館が長期化したことにより、協力貸出は大幅に減少しました。中央図書館では臨時休館中に蔵書点検を前倒しで実施するほか、府域図書館の臨時休館状況については週次で集約・発信するなど、情報共有にも努めました。

府域図書館職員等を対象とした研修は、集合形式ではなく、主に動画配信による遠隔形式で実施したところ、これまで研修に参加しにくかった遠方の館や少人数職場からも含め、多方面から多数の申込みがあり好評を得ました。府民を対象とした地下書庫見学ツアーは、中止せざるを得ませんでしたが、地下書庫案内動画を7本作成・配信するなど、非来館型のサービス提供に努めました。元年度に試行していた遠隔地返却については対象を10市町村に拡げ、4月から本格実施に移行しました。

なお、次期システムの機能については、令和5年度のシステムリプレイスに向けて検討を始めており、ICTを活用した新たなサービスについても積極的に情報収集を行っているところです。

「基本方針2」
府立図書館は、幅広い資料の収集・保存に努め、すべての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。

遠隔コミュニケーションアプリを活用した対面朗読(写真)
【遠隔コミュニケーションアプリを活用した対面朗読】

効果的な蔵書の構築をめざし、元年度から活動を開始した「紙・電子媒体資料統合提供調査チーム」では、感染拡大防止にもなると注目を浴びた電子書籍貸出サービスに関して、府域図書館16自治体20館からの参加を得て、ベンダー4社への聞き取り調査を行ったほか、昨年度まとめた「中間報告」で掲げた方針に沿って情報収集を行いました。

利用者向けのサービスとしては、臨時休館中の5月1日から着払いによる郵送貸出サービスを開始し、多くの利用者へ資料を届けることができました。また、e-レファレンスやWeb複写等の非来館型サービスの利用も増加しました。

障がい者サービスに関しては、5月23日より遠隔コミュニケーションアプリを活用した視覚障がい者への対面朗読サービスを、全国に先駆けて開始しました。在宅で対面朗読を受けることができ、ヘルパーの手配や感染の心配がないため好評で、ほぼ毎日利用されています。11月に開催した手話落語では会場の定員を少なくし、ライブビューイング会場を別に設ける等の対策を講じました。

ビジネス支援サービスでは、募集人数を絞り、会場での感染拡大防止にも努め、7月からビジネスセミナーを実施しましたが、講師の確保などが難しく目標値どおりの回数での開催ができませんでした。ホームページのビジネスWeb情報源の更新、所蔵新着雑誌記事速報の公開など、非来館者へのサービス提供に努めました。

「基本方針3」
府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実に努めます。

国際児童文学館とこども資料室が例年5月に3日間実施している講座「講演と新刊紹介」は、感染拡大防止のため、6月26日から7月31日まで動画配信により実施しました。日本全国から1,558名の申込みがあり好評で、アンケートでは今後も動画配信を希望される意見を多数いただきました。また、夏休みには、インクルーシブなイベントとして「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」を企画し、こども向けのクイズや朗読体験などを行いました。

しかけ絵本展示(写真)
【しかけ絵本展示】

学校支援の面では、感染症対策などにより府立学校への協力貸出にも大きな影響があり、冊数が大幅に減少しましたが、校長会を通じて府立学校全校への広報をおこなうなど、新たな貸出促進の方策を試みました。また、特別貸出用図書セットを府内の矯正施設のほか、新たに児童自立支援施設に提供することができました。今後はより一層来館が困難な子どもへの読書支援に留意したサービス提供を検討していきたいと考えています。

国際児童文学館は、2年度で移転開館10周年を迎えました。10周年記念展示として、一般財団法人大阪国際児童文学振興財団の元理事長(現在は特別顧問)である三宅興子さんより2年度に寄贈を受けた資料の中から、しかけ絵本の歴史と魅力をたどった展示を行いました。1800年代に英国で製作された貴重な資料から現在のものまで、多様なしかけ絵本を展示し、「いろんな技巧が工夫され、とてもアート的な作品もあり楽しかった」「実物を見ることができてとてもうれしい」等の感想を頂きました。

「基本方針4」
府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。

「EXPO’70展」リーフレット(画像)
【「EXPO’70展」リーフレット】

「おおさかポータル」は、データ作成を着実に行うとともに、外部機関との連携に向けた取組を進めました。データ登録を容易にする管理機能の改修整備は、中央図書館と調整しながら当初計画よりも前倒しで進捗しています。

電子資料検索システム「おおさかeコレクション」には、特別コレクション「石崎文庫」資料約11,500件を新規に登載し、本文画像が閲覧できるタイトルが大幅に増加しました。「三井文庫」「森田文庫」「近世活字本」の計約4,000件の資料追加に向けて準備を進めています。

指定管理者との資料展示、講演会、古文書講座等の共同企画事業は、感染拡大防止に万全を期しつつ取り組みました。特別展として、令和2年が大阪万博から50年、2025年万博まであと5年という節目の年となることを受けて6・7月には「所蔵資料で振り返るEXPO’70」を、1・2月には「古典籍に描かれた名花・名木」と題して開催しました。

「基本方針5」
府立図書館は、府民に開かれた図書館として、地域の魅力に出会う「場」と機会を提供します。

「感染症対策グッズ&大阪のものづくり」展示会 ポスター(画像)
【「感染症対策グッズ&大阪のものづくり」展示会 ポスター】

両館とも感染拡大防止に留意し、内容に応じて中止や規模の縮小、Web開催への移行などの対応を行いつつ、外部機関との連携による生涯学習事業や、指定管理者との共同企画等に取り組みました。結果的に、イベント実施数・参加者数など目標に満たない項目があったものの、実施した講座等については高い満足度を得ています。

今後とも魅力ある事業の企画など工夫を重ねるとともに、目標設定においては、withコロナの状況や中之島図書館の書庫建替工事に係る施設の状況等を踏まえて、見直しを図りたいと考えています。

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

PAGE TOP