大阪府立図書館

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大阪府立図書館の活動評価~令和元年度のまとめ~

更新日:2021年3月9日

[PDFファイル/403KB]

 大阪府立図書館が平成22年度から実施している活動評価は、令和元年度から第四期に入りました。基本的には第三期までの活動内容を継続しつつ、新たな取組にも着手していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、「感染拡大」という)のため、令和2年2月20日以降、講演会やおはなし会等のイベントをすべて中止とし、3月2日以降は臨時休館することとなりました。

前例のない状況のもと、各方針に沿って可能な限り情報発信や情報提供に努めました。

「基本方針1」
府立図書館は、市町村立図書館を支え、大阪府全域の図書館サービスを一層充実させます。

借受

中央図書館所蔵雑誌の協力貸出を1年間試行し、その間に府域図書館から受けた要望等を踏まえて7月から本格実施に移行しました。府域図書館職員の方からは、地元利用者の調査ニーズに応えることができていると伺っています。遠隔地返却の試行については、利用者にとって府立図書館の資料がより利用しやすくなっているという評価を協力館よりいただきました。遠隔地返却にご協力いただける館を増やし、本格実施に移行したいと考えています。

年度末には感染拡大防止のため休館を余儀なくされた府域図書館がありましたが、協力貸出冊数は前年度に比べ微減に留まりました。特別貸出セットについては、府内の矯正施設3か所すべてに提供できることになりました。来館が困難な利用者にも留意し、幅広く府民へのサービスを提供していきたいと考えています。

府域図書館職員等を対象とした研修は引き続き高い満足度を得ていますが、元年度は学校への広報を強化したことで、学校関係者から多数の申込みがあり、幅広いニーズに応えることができたと考えています。また、府域図書館員向けのポータルサイトにて、研修資料を掲載するなどWeb上での研修も視野に入れたコンテンツの充実にも努めました。週1回図書館関連ニュースの配信を始めたところ、内容も充実しており参考になるとの声が府域図書館から届いています。情報面での支援にも一層努めていきたいと考えています。

「基本方針2」
府立図書館は、幅広い資料の収集・保存に努め、すべての府民が正確な情報・知識を得られるようサポートします。

調査ガイド

重点目標である「効果的な蔵書の構築」のため、紙媒体の所蔵資料を、商用データベースや電子媒体資料とともに、より多くの府民へ効果的に提供する方法の提案を目指して、府立両館職員による「紙・電子媒体資料統合提供調査チーム」を立ち上げました。元年度は、ウェブスケールディスカバリー(図書館が提供するあらゆる情報資源をまとめて一元的に検索できるようにするサービス)、電子書籍、電子ジャーナル等の情報収集を行い、1年間の活動については「中間報告」としてまとめました。

レファレンスサービスでは、調査ガイド・資料案内を新規作成や改訂により充実させるとともに、利用者自らが調査を深めることができるよう、ホームページ上でオープンデータとして公開しています。臨時休館中でも、電話や文書、ホームページの専用フォームによりレファレンスを受け付け、政策立案支援サービスとともに継続して実施しました。府立図書館職員向けには、勤務年数が短く経験が不足する職員を対象としたレファレンスインタビュー入門研修や参考図書解題研修を実施しました。

ビジネス支援サービスでは、新たな連携先を開拓し、ビジネスセミナーを充実させると共に、社史等ビジネス支援に有用な資料を収集し、パスファインダーを更新して、引き続き最新の情報提供を心がけました。臨時休館後は、急増したWebによる複写申込みに迅速に対応するなど、非来館利用によるサービス維持に努めました。

「基本方針3」
府立図書館は、府域の子どもが豊かに育つ読書環境づくりを進めるとともに、国際児童文学館の機能充実に努めます。

紙芝居  こども資料室では、3月に学校が休校になってからは、自宅で過ごす子どもたちに向けて「Web版こどもクイズはかせ」を実施しました。また、子どもと図書館との繋がりを維持できるように、臨時休館中に実施した蔵書点検の様子などを、こども資料室のぬいぐるみをモデルにして随時ツイッターで紹介しています。

障がい者支援室では、夏休みにイベント「見て、聴いて、さわって楽しむ読書の世界」を企画し、手話によるおはなし会やこども点字教室、マルチメディアデイジー図書の研修などを実施しました。9月には聴覚障がいのある幼児と保護者を対象に大阪府福祉部が実施している、絵本や遊びにより手話を言語として獲得しようとする「こめっこ」事業を中央図書館で初めて開催し、司書も手話で図書館の利用案内などを行いました。

国際児童文学館では、昭和7年創刊の幻の児童雑誌『カシコイ』や、明治から平成までの様々な『フランダースの犬』、印刷紙芝居の始まりから海外へ広がった紙芝居の歴史を紐解いた展示や、大阪市立中央図書館への出張展示などにより、たくさんの貴重な資料を紹介することができました。専門的な研究利用の促進を企図した「特別研究者」制度は募集予定数を超える応募があり、着実に根付いてきています。

「基本方針4」
府立図書館は、大阪の歴史と知の蓄積を確実に未来に伝えます。

長谷川展

「おおさかポータル」は、大阪市提供のオープンデータ約110件など、3,118件の追加・更新を行いました。大阪観光局、国立国会図書館とのデータ連携の準備を行い、市町村立図書館との連携に向けて引き続き取組を進めています。

電子資料検索システム「おおさかeコレクション」には、医学分野などに貴重な資料を多く含む特別コレクション「石崎文庫」の資料を、新規コンテンツとして公開することとし、例年の約10倍となる約11,500件を掲載予定です。

感染拡大防止のためイベントのひとつが中止となりましたが、指定管理者との資料展示、講演会、古文書講座等を共同企画事業として順調に開催しました。資料展示は、6・7月の「江戸時代大坂の医学と医療」では意外に知られていない近世の医療分野の古典籍を紹介し、特に1・2月に行った「二世没後80年 大阪の浮世絵師 長谷川貞信展」では『浪花百景』などを展示し、来場者も多く好評でした。

「基本方針5」
府立図書館は、府民に開かれた図書館として、地域の魅力に出会う「場」と機会を提供します。

古市古墳 中央図書館では、生涯学習事業において前年に好評を博したイベントを拡充するなど、外部機関との連携事業を強化しました。年間のイベント実施数・参加者数・参加者満足度は目標値を上回ることができました。

中之島図書館では、指定管理者との共同企画について、年度当初に概ねの計画をたて、順調に実施することができました。

基本方針4でも紹介した資料展示や講座はいずれも高い関心と満足度を得ています。

両館ともに感染拡大防止のため予定していたイベントなどを中止や延期しましたが、感染拡大防止に努めつつ、2年度も引き続き魅力あるイベントを提供していきたいと考えています。

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