大阪府立図書館

English 中文 한국어 やさしいにほんご
メニューボタン
背景色:
文字サイズ:

「はらっぱ」 No.32 大阪府教育委員会発行のブックリスト「-すべての子どもに読書の機会を-読んで楽しい本・元気がでる本」について

更新日:2024年2月21日


「はらっぱ」 No.32 大阪府教育委員会発行のブックリスト「-すべての子どもに読書の機会を-読んで楽しい本・元気がでる本」について

掲載日:2019年3月31日更新

大阪府教育庁市町村教育室地域教育振興課

1.はじめに
 大阪の子どもの「読書が好き」な割合は、小学6年生、中学3年生ともに全国平均より低く(全国学力学習状況調査:文部科学省)、特に中学生については、全国と比べて大きな差があります。そこで、平成28年3月に策定した第3次大阪府子ども読書活動推進計画に基づき、

・家庭、学校、地域、街なかで、乳幼児や児童への読み聞かせの機会の拡大
・読書離れが進む中高生が、読みたいと思う魅力的な本と出合う機会の拡大
・公立図書館司書、司書教諭及び学校司書を含めた教職員、子どもに関係する施設職員、保護者、読書活動ボランティア等の子どもの読書活動に関わる人材の確保及びスキル向上並びに支援人材同士で、相談・協力・連携できるネットワークづくり

の3つの視点を重視し、全児童対策として読書活動推進の取組みを進めております。
 一方で、平成28年度に大阪府が実施した「大阪府子どもの生活に関する実態調査」において、「困窮度別に見た、子どもへの経済的な理由による経験」(※1)「困窮度別に見た、保護者と子どもの関わり(おうちの大人と文化活動をするか)」(※2)の調査結果では、経済的に困窮している家庭ほど、経済的な理由で子どもに本を購入することをあきらめた経験が多く、図書館に行く等の文化活動の機会がない傾向にあり、また、「困窮度別に見た、授業以外の読書時間」(※3)についても、経済的に困窮している家庭の子どもほど「まったくしない」と回答した割合が高いことから、経済格差が子どもの読書活動の機会の格差につながっていることが明らかになっており、より一層の支援の必要性が課題となっております。

2.ブックリストの編纂
 経済的な課題を含め、様々な環境にいるすべての子どもたちに読書活動の機会を持ってほしいという思いから、大阪府教育庁市町村教育室地域教育振興課では、保護者の方や、子ども食堂や放課後子ども教室などで子どもに関わる活動をされている方を対象としたブックリストを作成しました。
 ブックリストの作成にあたって、ブックリストの編纂方針及び内容などについて協議、助言をいただくため、府立図書館司書や地域で子ども文庫を運営されている方、読書関係や福祉関係の有識者からなるブックリスト編纂委員会を設置しました。
 このブックリスト編纂委員会において、大阪府社会福祉協議会のご協力を得て、学習支援活動を行っている活動現場の視察を行ったほか、府が実施した子ども読書活動に関する研修での参加者に対するアンケートにて、ブックリストの編纂にあたり、どのような本が掲載されていることを望むかという意見収集をし、これらで得た意見等をもとにブックリストの編纂方針を決定しました。
 この方針をもとに、選書と紹介文、あらすじ文の執筆を大阪府が行い、完成させました。

3.ブックリスト「-すべての子どもに読書の機会を- 読んで楽しい本・元気がでる本」
 このブックリストは、概ね3歳から12歳までの子どもを対象に、「1 言葉遊び」「2 食べもの」「3 自然・科学」「4 空想・ユーモア」「5 希望・成長・葛藤(ノンフィクション)」「6 希望・成長・葛藤(フィクション)」の6つのテーマの本を紹介しております。
 テーマ1から4は、声に出して楽しんだり、日常の生活と結びついたりする本を、子どもが本と関わるひとときを楽しい時間と感じ、「また読んでほしい」「じっくりひとりで読みたい」という気持ちが生まれることを願って、10冊ずつ選びました。子どもがひとりで読んだり、大人が子どもの関心や成長に応じて1対1で読んだり、また大人が年齢や本の好みが様々な子どもたちに読んでも一緒に楽しめる本となっております。
 テーマ1では「言葉遊び」を主題として、「しりとり」「なぞなぞ」といった遊びの要素がある本を取り上げております。
 テーマ2では、「食べもの」を主題として、ふだんの暮らしで実際に触れたものや経験したことに対する好奇心につながる本を取り上げております。
 テーマ3では、「自然・科学」を主題として、自然体験の中で触れたものや経験したことに対する感動や好奇心につながる本を取り上げております。
 テーマ4では、「空想・ユーモア」を主題として、未知の世界への関心、空想の楽しさが伝わる本を取り上げております。
 掲載した本には、大阪府立中央図書館司書による紹介文が記載されております。本のキーワードも掲載しておりますので、活用される際の参考にしてください。
 テーマ5と6は、子どもや大人が、夢や希望に向かう姿、厳しい状況に置かれて葛藤したり、成長する姿を描いたりした本を選びました。子どもの明日に向かう気持ち、自分を大切に思う気持ちにつながり、人生をより深く生きる力をつける助けになることを願い選んだものです。
 子どもが困難な状況を抱えている、自信を失っていると思われる時などに、子どもの状況に応じて薦めていただけるような、励ましを伝えられる本、困難な境遇にありながら生きる子どもや大人が登場する本、子どもや大人の成長を描いた本を紹介しております。大人が子どもの困難さを理解するためにも読んでいただきたい本となっております。テーマ5はノンフィクション、テーマ6はフィクションとなっており、大阪府立中央図書館司書によるあらすじ文と、主題を記載したものをそれぞれ5冊ずつ掲載しているほか、本の情報と主題のみを記載したリストも用意しております。活用される際の参考にしてください。

 このブックリストは大阪府教育庁市町村教育室地域教育振興課のホームページに掲載しております。(2018年12月現在)

・ブックリスト 「-すべての子どもに読書の機会を- 読んで楽しい本・元気がでる本」
http://www.pref.osaka.lg.jp/chikikyoiku/libreso/booklist.html

ブックリスト「-すべての子どもに読書の機会を-読んで楽しい本・元気がでる本」のQRコード

ブックリスト「-すべての子どもに読書の機会を-読んで楽しい本・元気がでる本」の表紙

 なお、このブックリストをより活用しやすくするために、保護者向けブックレットと支援者向けブックレットも用意しております。

 保護者向けブックレットは、保護者に活用していただくため、読書の意義や子どもと一緒に読む本について記載しております。3歳から12歳までのお子様がいらっしゃる保護者の方に、ぜひご一読いただきたいと考えております。
 支援者向けブックレットは、様々な理由により、読書活動から遠ざかっている子どもが、自発的に本を読みたいと思うためのステップとなるような読書活動支援の取組み例を紹介しております。放課後子ども教室、放課後児童クラブ、子ども食堂等の子どもの居場所づくりに関わる方や幼稚園、保育所、認定こども園の職員の方々に、このブックレットを活用いただき、子どもの居場所での活動に、読書活動を取り入れていただければと願っております。
 この2種類のブックレットも、ホームページに掲載しております。

・保護者向けブックレット
「子どもと一緒に本を読もう」(2018年12月現在)
http://www.pref.osaka.lg.jp/chikikyoiku/libreso/bookp.html

・支援者向けブックレット
「子どもの居場所での読書活動支援ブックレット」(2018年12月現在)
http://www.pref.osaka.lg.jp/chikikyoiku/libreso/books.html

 このブックリストを、家庭をはじめ、幼稚園、保育所、認定こども園など、また子ども食堂や放課後子ども教室、放課後児童クラブなど、様々な環境の子どもたちと関わる活動をされている方に活用していただくことで、すべての子どもたちが読書と出合う機会を持つことにつながるよう願っております。

(※1)平成28年度に大阪府が実施した「大阪府子どもの生活に関する実態調査」の調査報告書 p.121-122「困窮度別に見た、子どもへの経済的な理由による経験(保護者票問13)」図109
(※2)同p.199「困窮度別に見た、保護者と子どもの関わり(おうちの大人と文化活動をするか)(子ども票問10-9)」図175
(※3)同p.201「困窮度別に見た、授業以外の読書時間(子ども票問16)」図177

・大阪府「子どもの生活に関する実態調査」及び子どもの貧困対策に関する具体的取組について
http://www.pref.osaka.jp/kosodateshien/kodomo/index.html

*参考

ここでご紹介したブックリスト掲載資料は、特別貸出用図書セットとして
「ブックリスト1 言葉遊び」
「ブックリスト2 食べもの」
「ブックリスト3 自然・科学」
「ブックリスト4 空想・ユーモア」
「ブックリスト5 希望・成長・葛藤(ノンフィクション)」
「ブックリスト6 希望・成長・葛藤(フィクション)」
の6セットをご用意しております。

利用については、大阪府立中央図書館の「学校支援のページ」掲載の「特別貸出用図書セットについてのご案内」をご参照ください。
https://www.library.pref.osaka.jp/site/central/school-tset.html


PAGE TOP