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「はらっぱ」 No.31 スクールサービスデイの作り方について

更新日:2024年2月21日


「はらっぱ」 No.31 スクールサービスデイの作り方について

掲載日:2018年3月31日更新

大阪府立中央図書館 協力振興課

 大阪府立中央図書館(以下、「当館」とします)では、平成21年度から、子どもたちの読書活動を支援するため、図書館と学校が連携して「スクールサービスデイ」を実施しています。スクールサービスデイの設定日は全フロアを開放しますので、子どもたちは、のびのびと図書館を利用できます。
 例えば、学校からの団体見学の場合、一般利用者への配慮から一般閲覧室の利用はご遠慮いただいていますが、スクールサービスデイの日は貸し切りですので遠慮はいりません。職員も子どものためだけにカウンターにいますので、気兼ねなく質問することができます。
 また、スクールサービスデイでは様々なプログラムを体験できることも魅力のひとつです。おはなし会やブックトークを筆頭に、いろいろな障がい者支援資料の紹介や、国際児童文学館の資料に関するトリビアの時間、手話の体験、普段は入ることのできない地下書庫見学など、どれも図書館に親しみを感じられるものばかりとなっています。
 スクールサービスデイの対象は、大阪府内の小・中・高・支援学校の児童・生徒たちですが、ここでは、ある中学校の例をご紹介します。
 この中学校はスクールサービスデイ開始当初からご利用頂き、9回目となる平成29年度は1年生350名余りが来館し、調べ学習に臨みました。
 実施当日は、地下書庫見学などのプログラムに30分、調べ学習に80分、計2時間弱の工程ですが、事前準備として、数か月前から先生方に生徒たちの普段の様子などを伺い、当日調べ学習で使用するワークシートについて協議し、毎年推敲を重ねてきました。
 例えばある年度では、様々なテーマをランダムに並べ、各テーマに沿った本を1冊、書架から選ぶ形式を用いたところ、図書館全体の棚を行き来し、幅広い分野の資料に出会えるメリットはあるものの、じっくり1つのテーマを追究することも大切なのではないかとの指摘がありました。
 翌年度は、先生方が考えた複数のテーマ案を箇条書きにしてワークシートに取り入れ、生徒はその中から調べたいテーマを1つに絞り、テーマに沿って本をさがし、紹介文や図表、グラフなどで調べた成果をまとめる形式としましたが、テーマ案の中から調べたいテーマを絞ることが困難だったのか、調べることに身が入らず、調べ学習に充てる時間を十分に使い切れない生徒が散見され、改善が求められました。
 そこで今年度は学校と図書館と双方で意見を積み上げ、テーマ選びの敷居を低くするため、テーマ一覧を箇条書きからイラストを多用したものにした上、提出用紙は図表などをやめて感想文やイラストのみに絞るなど、緩やかな様式にしました。
 学校との連携に関しては、ワークシート案を練るだけでなく、当館職員が中学校へ出向き、授業時間をいただいて生徒に図書館の使い方を説明することもあります。
 当館はこども資料室だけで約4万6千冊、閲覧室合計では約45万冊もの資料が各室の書棚に並んでおり、テーマに沿った資料をみつけるためには、主題別の配架方法やOPAC端末の検索方法の理解が必須となるためです。そのほか、本が見つからないときのためのレファレンスや、守るべきマナーなどを詳しく説明し、本番に備えました。
 今後も試行錯誤しながら学校と連携し、生徒に合った実施方法を模索し続けたいと考えています。
 スクールサービスデイは大人数が来館する催しのため、遠方からのご利用が難しく、平成29年度までの参加校は9校に留まりますが、来てくれた生徒たちには「図書館を使う」「何かについて興味をもって調べる」ということに、少しでも馴染む機会になればと思っています。スクールサービスデイについては、次のURLでも紹介しています。
https://www.library.pref.osaka.jp/site/central/school-school.html


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