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「はらっぱ」 No.31 大阪府域 調べ学習支援についての実態調査報告

更新日:2024年2月21日


「はらっぱ」 No.31 大阪府域 調べ学習支援についての実態調査報告

掲載日:2018年3月31日更新

 「はらっぱ No.31」を作成するにあたり、府域市町村の現状を把握するため、実態調査を実施しました。お忙しい中、ご担当の方々にはご協力をいただきまして、ありがとうございました。ここに報告させていただきます。

調査概要

・調査対象:大阪府域市町村図書館および公民館図書室(複数館ある場合は中心館のみ)
・調査時期:平成29年10月
・回収率:100%(43市町村)
※項目の後の数字は同様の回答があった市町村数

問1.児童・生徒への調べ学習支援のための取組み・行事を行っていますか
(平成24年度以降に行ったことがありますか)
※日常的にカウンターで受けるレファレンスとは異なります。
問1の回答の円グラフ

問2.どのような取組み・行事でしょうか
(ア)辞書・事典などの使い方の説明や演習
対象:回答総数16
問2アの回答の棒グラフ
時期:夏休み9、随時1、その他3(職業体験時等)

(イ)OPACの使い方の説明や演習
対象:回答総数24
問2イの回答の棒グラフ
時期:夏休み8、随時4、その他6(職業体験、見学時等)

(ウ)NDCの説明や演習
対象:回答総数 29
問2ウの回答の棒グラフ
時期:夏休み10、随時6、その他8(職業体験、見学時等)

(エ)インターネットを使った調べ方の説明や演習
対象:回答総数13
問2エの回答の棒グラフ
時期:夏休み5、随時1、その他1(図書館体験)

(オ)データベースを使った調べ方の説明や演習
対象:回答総数2
問2オの回答の棒グラフ
時期:随時1

(カ)自由研究などのまとめ方の説明や演習
対象:回答総数10
問2カの回答の棒グラフ
時期:夏休み7、随時1

(キ)グループ調査の支援
対象:回答総数7
問2キの回答の棒グラフ
時期:夏休み1、随時4

(ク)個人の課題研究(自由研究)支援
対象:回答総数24
問2クの回答の棒グラフ
時期:夏休み12、随時4

(ケ)館外(学校等)へ出向いて調べ方等の説明
対象:回答総数5
問2ケの回答の棒グラフ
時期:随時2

(コ)子ども向けパスファインダーの作成:3
対象:-
時期:-

(サ)ブックリストの作成
対象:回答総数23
問2サの棒グラフ
時期:-

(シ)調べ学習のための資料展示
(例 夏休みに自由研究に関する資料の展示)
対象:-
時期:夏休み32、冬休み1、随時1、その他2

(ス)その他
p.12に掲載

問3.問2の取組み・行事を行ってよかった点、課題となった点、工夫した点を教えてください(複数回答可)
( )内は補足コメント
(ア)辞書・事典などの使い方の説明や演習
●よかった点
・よく理解してもらえた:4
・きっかけ作り・調べる体験ができた:2
・学校での学びを生かすことができる:2
・図書館の使い方を学ぶことができる:2

●課題となった点
・子どもの理解度に差がある:5
・演習に入りやすいような工夫や飽きさせない工夫:3
(遊びの要素を取り入れても、どうしても“お勉強チック”になってしまいがち)
・開催日の確保:2
(学校の希望開催時期が重なる)
・参加枠の確保:1
・準備の大変さ:1
(職員の労力、人数分の資料の用意)

●工夫した点
・わかりやすい資料の作成:3
(図解を取り入れる独自テキスト作成)
・説明の工夫:3
(高学年・低学年に分け、同じ内容でも学年で難易度を変えて説明)
・遊びの要素を取り入れた:3
(課題をクリアするたびに自分で選んだハンコを押印、NDCの説明に絵カードを使用、クイズ形式で)
・学校との連携:1
・使用する辞典が全員にいきわたるように調べる言葉を別々にした:1
・プログラムは、複数の職員、学校司書、実習参加の教員の意見を参考にした:1
・辞書・事典を使う演習を中心に行った:1

(イ)OPACの使い方の説明や演習
●よかった点
・操作方法の習得:7
(習得した子ども自身が家族にも教えている、キーワードで探せることがわかった、NDCの活用、子ども用ページの存在がわかった)
・今後も活用できそうなレジュメを作成することができた:1
・学校での学びを生かすことができる:1
・図書館の使い方を学ぶことができる:1

●課題となった点
・参加年齢、理解度にばらつきがある:4
・OPACの台数が足りない:2
・飽きが来ないようにすること:2
・開催日の確保:1
・参加者が少ない:1
・参加枠の確保:1
・準備の大変さ:1
(職員の労力、人数分の資料の用意)

●工夫した点
・説明の工夫:3
(高学年・低学年に分け、同じ内容でも学年で難易度を変えて説明)
・遊びの要素を取り入れた:2
(課題をクリアするたびに自分で選んだハンコを押印、NDCの説明に絵カードを使用、クイズ形式で)
・図書館内の検索機と図書館HPの蔵書検索と2つの説明をした:1
・ワークシート:1
・学校との連携:1
・先に代表者を決めて、演習は全員参加できるようにした:1

(ウ)NDCの説明や演習
●よかった点
・本の並び方、請求記号やラベルへの理解が増した:7
・学校での学びを生かすことができる:1
・図書館用語を知ってもらえる:1
・調べ学習を体験できた:1

●課題となった点
・参加者の理解度にばらつきがある:4
・開催日の確保:2
(学校側の開催希望時期が重なる)
・飽きが来ないようにすること:2
・参加枠の確保:1
・実際の配架が必ずしもNDC順にないことで、分かりにくい子もいたかもしれない:1
・どこまで理解できているのか把握が難しい:1
・準備の大変さ:1
(職員の労力、人数分の資料の用意)
・調べ学習につなげられるようなテーマや分類の提示:1
・学校で実施したため図書館ですぐに活用できない:1

●工夫した点
・説明(資料)の工夫:10
(図解を入れる、ワークシート、ゲーム感覚でできるカードを作成、子どもの興味のありそうな本を事例に使用、パネルを使用)
・実施方法の工夫:7
(NDC記載のレシートに基づいて実際に本を探す、複数の職員・学校司書・教員にプログラムを確認してもらう、低学年と高学年に分ける、ゲーム形式、クイズ形式、おもちゃに見立てたカードを使用し分類作業を体験)
・学校との連携:1

(エ)インターネットを使った調べ方の説明や演習
●よかった点
・学校での学びを生かすことができる:2
・図書館の使い方を学ぶことができる:1
・インターネットだけで調べずに、本でも調べる大切さを伝えることができた:1

●課題となった点
・開催日の確保:1
・参加枠の確保:1
・パソコンの台数が足りない:1
・インターネットでの調査の方が、本より楽であると感じてしまうようだった:1
・インターネットが図書館で使えることが知られていない:1

●工夫した点
・説明資料の工夫:2
(ワークシート、インターネットや本の良い点悪い点を表にした)
・学校との連携:1

(オ)データベースを使った調べ方の説明や演習
●よかった点、●課題となった点、●工夫した点
 いずれも回答なし

(カ)自由研究などのまとめ方の説明や演習
●よかった点
・調べる楽しさを伝えることができた:2
(外部講師の活用)
・対応に集中できた:1
・系統だって伝えることができた:1

●課題となった点
・準備の大変さ:1
・個別対応が必要になる点:1
・会場の制限:1

●工夫した点
・わかりやすい資料の作成:2
(調べ学習の進め方についてまとめた資料を配布、テーマの検討の仕方を模造紙にまとめる、インターネットや本の良い点悪い点を表にしてわかりやすくした)
・図書館と学校図書館双方で成果物を展示することでPR:1

(キ)グループ調査の支援
●よかった点
・学校での学びを活かすことができる:1
・図書館の使い方を学ぶことができる:1
・テーマによっては、資料だけでなく館内設備機器も素材となる(例ユニバーサルデザイン):1

●課題となった点
・開催日の確保:1
・参加枠の確保:1
・学校との連携:1

●工夫した点
・ワークシート:1
・学校との連携:1
・大人数対応のため休館日に実施:1

(ク)個人の課題研究(自由研究)支援
●よかった点
・自分の興味に応じて調査できる:2
・身近な学校司書にも参加してもらうことで利用者も声をかけやすくなった:1
・集中して対応できた:1
・NDCの活用:1
・地域の大人(昆虫や植物に詳しいボランティア)と子どもの交流:1

●課題となった点
・資料集め:3
・日程調整:1
・資料展示:1
・子どもの理解度に差がある:1
・準備の大変さ:1
・随時対応のため対応のばらつき:1
・非来館利用者への支援:1

●工夫した点
・職員体制:2
・分かりやすい資料の作成:2
(ワークシート、テキスト、説明時の絵カードの工夫)
・学校との連携:1
・休館日に実施:1
・期間を設けて質問しやすい雰囲気づくり:1
・遊びの要素を取り入れた(スタンプ、絵カード):1
・ガイドをカウンターで手渡しする:1
・会場づくり(資料展示、標本展示など):1

(ケ)館外(学校等)へ出向いて調べ方等の説明
●よかった点
・子どもの反応を確認できる:1

●課題となった点
・学校の希望開催時期が重なる:1
・個性を尊重したまとめ方の説明:1

●工夫した点
・前年度の様子を反映したプログラム開発:1

(コ)子ども向けパスファインダーの作成
●よかった点
・子ども以外の来館者にもアピールできた点:1

●課題となった点
・テーマの充実:1

●工夫した点
・定期的な内容の更新:1
・テーマを職員のみならず利用者にも広く募った:1

(サ)ブックリストの作成
●よかった点
・幅広い資料の紹介および利用の広がり:4
・作成したものを冊子などに再構成:1
・選書の参考となっている:1
・学校司書との協力により、子どもの興味関心を知ることができた:1
・学校図書館でも活用:1

●課題となった点
・資料の鮮度:1
・内容の偏り:1
・作成時間の確保:1

●工夫した点
・低・中・高学年別の編集:1
・新しい本だけでなく、幅広い資料の紹介:1
・読みたくなるような紹介文の作成:1

(シ)調べ学習のための資料展示
(例夏休みに自由研究に関する資料の展示)
●よかった点
・貸出促進、利用の少ない本の活用:6
・利用者が資料を探しやすくなった:5
・案内の効率アップ:1
・子ども以外の利用者へのアピール:1
・子どもの興味・関心の拡大に貢献:1

●課題となった点
・展示方法:2
・出版年の古い資料の扱い:2
・資料利用の集中:2
・展示場所:1
・「宿題」以外の調べ学習支援につながった実感が持てないこと:1
・他部署との連携調整(テーマ決め、調整時間の確保):1
・展示から調べ学習の支援に発展させていくこと:1
・保護者のサポートがないと難しい:1
・百科事典の活用促進:1
・閲覧マナー:1

●工夫した点
・展示場所(目立つところ):2
・実物の展示:2
(昨年度の「調べる学習コンクール」のレプリカの展示)
・市内各小中学校への広報および連携:2
(先生が児童に配る推薦図書リストの本を同時に展示、相互の利用につなげた)
・展示コーナーから他の開架資料への誘導:1
・親子での利用を想定、一般書も一緒に展示:1
・複数利用者対応のため複本の用意:1
・展示資料で禁帯出ものについては、貸出用の資料があることを本に表示:1
・テーマから広げた資料もあわせて展示:1
・面見せ:1
・手書きイラスト:1
・夏休み前からの実施:1

(ス)その他
○知的探究合戦「めざせ!図書館の達人」
よかった点:学校での学びを活かして図書館で調べ学習の一連の流れを体験できる、市立図書館の使い方を知ることができる
課題となった点:開催日の確保、参加枠の確保
工夫した点:ワークシート、学校との連携

○読書感想文と自由研究に関するリーフレットの作成
よかった点:好評につき増刷
課題となった点:活用実態の把握

○「図書館を使った調べる学習コンクール」にあわせたイベント開催
課題となった点:スタッフの育成

○「図書館を使った調べる学習かんたんガイド」作成
よかった点:先生向けの図書館活用テキストとして活用
課題となった点:非来館児童への支援
工夫した点:参考文献の添付忘れ防止のために、作品に切って貼り付けて使える「参考文献リスト」をつけた。

○「調べる学習講座」の実施
よかった点:来館のきっかけづくり
課題となった点:スタッフ研修
工夫した点:民間企業との連携による魅力的なテーマ設定

○調べ学習用資料の学校への貸出
よかった点:資料の充実
課題となった点:学校間の利用の調整(利用の集中)、搬送手段
工夫した点:前年度の学校側の要望に基づく計画的資料購入

○団体貸出及び学校巡回(配送)
よかった点:学校との関係が深まった
課題となった点:学校間の利用の調整

○調べ学習用図書の新刊リストを学校司書へ配布
よかった点:学校からの利用の参考になっている
課題となった点:図書館側の購入時期と学校側の希望提供時期のずれ

○公民館に自習スペースを確保
よかった点:図書室での自習の減少
課題となった点:自習室の案内・周知方法
工夫した点:これまでに自習に使用されていた閲覧机に自習スペースの案内

○図書館ホームページの子どものページに「しらべる」の項目をあげ、本の探し方やよくある質問を掲載

○「子ども司書講座」でのレファレンス体験実習

問4.調べ学習支援のための取組み・行事を行う上で課題となる点を教えてください

・職員の確保・スキルアップ:14

(読書推進活動関係の他のイベントによる慢性的な人手不足、担当する職員の育成など)

・学校との連携:12

(よりよい調べ学習支援のためには、学校での学習の流れ、単元の意図などカリキュラム情報の把握が必要であり、夏休みに読んでもらいたい本や取り組んでもらいたい研究テーマなどは、学校図書館司書のアドバイスが参考になる)

・資料の確保:7

(複数の学校から同時期・同テーマに利用が集中する問題、低学年向け資料が乏しいこと、最新の理科系資料の更新など)

・PR・集客:6

(効果的なPR方法、高学年や新規利用者の集客、小学生対象のイベントに幼児が参加するなど)

・子どもを取り巻く環境:4

(実態として時間がない、親が申し込んだためやる気がない、ネット依存、自力での来館が困難)

・搬送手段:2

(学校への搬送手段がない)

問5.これから取組んでみたい調べ学習支援に関する行事などがあれば教えてください

・子ども向けパスファインダー作成:6

・普段からOPACの使い方、NDCの説明、本の並び方などを紹介する行事:5

・課題研究支援:5

(「何かテーマを設定し、「調べる学習」へのハードルを下げて、児童の興味を引くようなものを行いたい。」「図書館敷地内の樹木や昆虫などをテーマとした、自然体験を伴った調べ学習の実施」とのコメントあり。)

・夏休みに重点的に調べ学習支援や宿題サポート:3

・学校等への出前講習:2

(子どもだけでなく先生にも実践的に体験してもらい、公共図書館から資料をバックアップし、学校図書館の活用につなげていきたいというコメントあり。)

・データベース・インターネットを使った調べ方案内:2

・ブックリスト作成:2

・調べる学習コンクール:1


上記行事を挙げる一方、「現在のスタッフでも工夫次第で実施可能なもの」との回答もあり、現場の苦悩が垣間見られる。


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