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 2002年度の催し物 > 天へのまなざし

最終更新:2005年12月17日



平成14年度 初夏の講演会

天 へ の ま な ざ し

近世大坂における儒学と洋学



<講演会は終了しました>







「太極恒星各明界之図」 山片蟠桃『夢ノ代』より

「太極恒星各明界之図」
山片蟠桃『夢の代』(当館所蔵)より


    講 師  宮川 康子氏
         (京都産業大学助教授)

 大坂の洋学は18世紀の中頃の天文学者麻田剛立に始まるといわれています。剛立は豊後杵築の人でしたが、幼少の頃から天文学に熱中していました。そしてその研究に没頭するため、とうとう脱藩して大坂をめざしたのです。大坂で剛立を待っていたのは、町人学問所として名高い懐徳堂の中井兄弟たちでした。

 懐徳堂は儒学を教える学問所でしたが、新しい知識を積極的に取り入れる自由な学風を持っていました。彼らは剛立を暖かく迎え、そこから儒学と洋学の貴重な交流が始まりました。洋学という言葉を聞くと、私たちは西洋から輸入された学問とばかり考えがちですが、新しい知識をどのように受け入れるかというのは、実は大変むずかしいことなのです。なぜならそれは従来の世界観や人間観までかえてしまうものだからです。

 「天」というのは、儒学のなかでもっとも重要な概念でした。その天と人とがどのように関わっているのか、天へのまなざしがどのように変化していったのか。大坂における儒学と洋学の交流のなかで、それを考えてみたいと思います。


日  時

平成14年7月13日(土)
午後1時30分〜3時30分

場  所

大阪府立中之島図書館 3階 文芸ホ−ル

定  員 50名


講師プロフィール

宮川 康子(みやがわ やすこ)氏

京都産業大学文化学部国際文化学科助教授。1953年東京都生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程終了。専攻は日本思想史、文化理論。著書に『富永仲基と懐徳堂』(ぺりかん社、1998年)、『自由学問都市大坂』(講談社、2002年)が、訳書にテツオ・ナジタ著『懐徳堂』(共訳、岩波書店、1992年)がある。



■■■  講演会報告  ■■■


近世大坂の学問所・懐徳堂の儒学者たちが洋学と出会い、互いに交流を深める中で、新しい知識をどのように受け止め、自らの学問を展開させていったのか、スライドをまじえて分かりやすくお話いただきました。
今回の講演会からインターネットからも参加の申込みをしていただけるようになりました。




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