更新日：2023年10月28日

平成15年度　大阪府立中之島図書館初夏の展示

玄武洞文庫展

平成15年6月15日（日）～6月28日（土）

－幕末・明治期大阪の偉才田結荘千里の足跡－

４.　砲術家千里

大塩乱以前に、自宅で静養中、乱後釈放されて後も、金子雪操らに画を学び、文墨に親しむ生活を送っていた千里は、画の修行のために天保10年（1839）長崎に赴き、画の修行を重ねますが、欧米列強国船が、日本近海に出没する事態（天保8年モリソン号事件）に、「力ヲ家国ニ尽サズ、徒ニ筆ヲ吮リ」傲然と絵画の道を歩むのは一人前の男子がすることではないと、砲術学を会得することを思い立ちます。
しかし、千里が師事をもとめた長崎の洋式砲術家一人者高島秋帆は、江戸で獄中にあり、学ぶ事は出来ない状況でした。
この間、千里は、独学で砲術学を究め、又緒方洪庵等蘭学者と交遊し、西洋文法、理学書、化学書を研鑽、嘉永3年（1850）、再度長崎に赴き、高島砲術学の後継者、肥後の池部如泉（1798-1868）に入門、1年間で全てを修め、嘉永4年に帰阪、その後は各藩の招請を受け、砲術家千里の名は高まります。

20　[高島流砲術]免許状　　１枚　　【玄武洞文庫-111】
池部春直より千里宛　　※嘉永5年（1852）閏2月
21　万動理源　　１巻附究理逢源１冊　　【玄武洞文庫-124】
田結荘千里著・筆　　附：千里訳・筆
22　（嘉永四辛亥十一月十日於小萩山）稽古打之略表　　１冊　　【玄武洞文庫-131】
田結荘千里著・筆
23　（嘉永五子年七月廿五日於阿漕浦西洋砲）試験法　　【玄武洞文庫-132】
田結荘千里著・筆
24　[西洋兵器設計図集]　　２帖　　【玄武洞文庫-140】
刊　　※千里解説入り
25　[西洋兵器設計図集]　　１冊　　【玄武洞文庫-141】
田結荘千里筆
26　桑土芻言　　８巻７冊（欠巻２）　　【玄武洞文庫-64】
田結荘千里著・自筆　　※嘉永7年（1857）序開版出願本
27　西洋散兵神幾府　　３巻１冊　　【玄武洞文庫-66】
田結荘千里著　　安政3年（1856）序刊
28　神幾府板木　　１枚　　【玄武洞文庫-216】

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