最終更新日:2013年2月9日

平成24年度第1回
大阪府立図書館協議会国際児童文学館あり方検討部会(報告)


○ 開催日 : 平成24年8月4日(土) 午後2時~4時
○ 出席委員: 岩崎 れい(京都ノートルダム女子大学教授)*部会長
        秦  健吾(大阪府高等学校図書館研究会会長)
        村上 泰子(関西大学教授)


○ 検討内容
 今後の国際児童文学館のあり方に向けて事務局より素案が示され、おおむね了承された上で、さらにどのような機能を充実できるかについて、  議論の上、次の3点が今後の重要な機能として確認された。なお、今後の機能を考えていく上では、(1)国内屈指の充実した児童文学資料を  十分に生かせる方法を考えること、(2)国際児童文学館が従来持っていた専門性を保持しながらも、公共サービスの一環として幅広い利用に  つなげていく方法を考えることを重視した。


1.サービスの充実方法について

府立図書館の一機能でありながら、日本随一の児童文学コレクションをもつことから、府民に向けてのサービスはもちろんのこと、 国全体へのサービスも視野に入れていく必要があると考えられる。


(1) サービスの方針としては、児童文学館としての機能を大切にしながら、同時に図書館サービスとの融合を 図っていくことを視野に入れる。


(2) 児童文学に関する資料はもちろんのこと、所蔵資料から得られる遊びや科学に関わる情報を利用して、文化の学びにつなげて いくこともサービスの一環としてとらえることができる。


(3)子どもたちが、児童文学も含め幅広く文化について学んでいくために、資料面から学校教育を支援し、そのためのプログラムを 提供していくことも考えられる。

(4)設立母体は違うが、国内屈指の資料を持つことから、東京にある国立国会図書館国際子ども図書館との連携をはかることも、 資料をより有効に活用していくために有用である。


2.専門性の確保について

(1)サービスの提供者として、より高い専門性を確保するために、府立図書館司書の中から、 専門性の高い司書を養成していく。


(2)従来の国際児童文学館の専門員が持っている児童文学に関する専門性をどのように引き継いでいくかを検討することは今後の重要課題である。


(3)児童文学はもちろんのこと、児童文化に関する幅広い専門性を確保するために、外部研究者の協力を求める方法もある。


3.情報発信のあり方について

(1)現在のホームページでは、現在の国際児童文学館のページがたいへんわかりにくいので、早急に対策する必要がある。


(2)ホームページやちらしで提供する情報のコンテンツを充実させる必要がある。特に事例紹介をすることは有用ではないかと考えられる。


(3)国立国会図書館国際子ども図書館との連携は将来の課題として考えるとしても、書誌情報の提供などにおけるフォーマットの統一は可能であると思われる。


(4)日本の児童文学資料の所蔵館としては、国際的にも価値が高い資料を多く持つことから、日本語以外の言語でも情報を発信し、 資料を幅広く利用してもらうことも重要である。


(H24.8.23 文責:岩崎 れい)