大阪府立中央図書館主催 府民講座
『風
土記』の編纂が開始されてから1300年になります。現在では「常陸国」「出雲国」「豊後国」「肥前国」「播磨国」以外の風土記は、逸文(文献に引用され
ることで残った部分)のみでしか伝わっていませんが、『古事記』や『日本書紀』と異なる伝承もみられ、独自の世界観を持っているといえます。東アジア全体
を見通すスケールの大きな視点を持っておられる上田先生ならではの『風土記』の分析を通じて、府民の皆様の日本文化に対する興味と関心を深め、学ぶ喜びを
持っていただきたいと考えております。
第1回講演 6月16
日(日) 午後2時30分~午後4時(受付は午後1時30分からおこないま
す)
テーマ「『風土記』とは何か」
和銅六年(713)五月二日、時の政府はいわゆる『風土記』編纂の命令をだしました。本年は『風土記』編纂開始から数えて千三百年の記念すべき歳でありま
す。『古事記』や『日本書紀』とは異なる数多の伝承を今に伝える『風土記』とその逸文は、貴重な代表的古典だといえるでしょう。『風土記』という書名は、
日本では平安時代から使われるが、まず「常陸国」・「出雲国」・「豊後国」・「肥後国」からその内容をかえりみていただきます。
第2回講演 7月7 日(日) 午後2時30分~午後4時 (受付は午後1時30分からおこないま
す)
テーマ 「『播磨国風土記』のなりたちと特色」 い
わゆる五『風土記』のなかで、もっとも早く成立したのが『播磨国風土記』であり、霊亀三年(713)の郷里制以前に成書化したことはたしかです。土地の肥
沃の度合いを上々から下々に九等分し、注目すべき伝承を数多く記載しています。大汝命と小比古尼命の笑話もこの『風土記』のみが記し、天皇巡幸伝承や渡来
の人びとにかんする由来もこの書が最多です。そのなりたちと特色を検討していただきます。
講師: 上田正昭 中央図書館名誉館長
受講経費:各回 500円 (当日受付にてお支払いいただきます。つり銭のいらぬよう、ご協力をお願いいたします) ※受付にて身体障がい者手帳等を提示されたご本人とその介助者は無料です。 ※講演には手話通訳を準備しております。 定員:各回とも380人(申込み先着順) 締切日:各開催日の4日前(必着)
会場:大阪府立中央図書館ライティホール・近鉄けいはんな線(地下鉄中央線)荒本駅下車 1番出口より北西に約400m ・バスでお越しの場合は近鉄バス「東大阪市役所前(中央図書館前)」で下車すぐ |
〈講師紹介〉 上田 正昭(うえだ まさあき)
京都大学名誉教授、大阪府立中央図書館名誉館長、姫路文学館館長、世界人権問題研究センター理事長、高麗美術館館長。島根県立古代出雲歴史博物館名誉館
長。日本・東アジア古代史専攻。京都大学文学部史学科卒業。文学博士(京都大学)。1971年京都大学教授に就任。アジア史学会会長、京都大学退官後、大
阪女子大学学長に就任。1997年より当館名誉館長。「南方熊楠賞」(2000年)など受賞多数。2001年には歌会始の召人に選ばれ、2002年からは
社叢学会理事長としても尽力する。著書は、『上田正昭著作集』(全8巻)、『東アジアのなかの日本』、『日本神話』、『雨森芳洲』、『アジアの中の日本再
発見』、『古代国家と東アジア』、『私の日本古代史』(上・下)など多数。
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〈問合せ先〉 大阪府立中央図書館 「生涯学習事業」担当 〒577-0011 東大阪市荒本北1-2-1 電話 06-6745-0170(電話による参加受付はおこなっておりません) FAX 06-6745-0262 (おかけ間違いのないようお願いいたします) |