大阪府立中央図書館主催 府民講座・ステージ1


上田正昭、山折哲雄両先生おおいに語る「アジアの中の日本・大阪のかたち」 いまを見つめて、未来を考えよう


平成19年6月30日、7月14日、7月21日と本年度の「府民講座・ステージ1」を開催いたしました。ここでは、講座の参加者からいただいた「感想文」について、抜粋してご紹介します。

【 開催のねらい 】
 
21世紀の「アジアの中の日本・大阪のかたち」をメインテーマに、「歴史」と「こころ」という視座から、アジアの「うち」に内包されている日本・大阪の今を見つめ、未来を考えるため、お二人の講師におおいに語っていただきました。
 本講座が「これからの日本・大阪」についてみんなで考えるきっかけとなり、「大阪発見」につながっていくことを期待して、開催しました。

第1回 6月30日(土)
講師 上田正昭(うえだ まさあき)先生
       京都大学名誉教授・大阪府立中央図書館名誉館長
講演 「アジアに通じる、日本・大阪の史脈」 

 日本・大阪はアジアの「そと」ではなく、歴史・地理的に見ても、アジアの「うち」にある。このような観点にたって、アジアの中の日本・大阪の過去と現在をもう一度見つめ直し、21世紀の日本・大阪の未来について語っていただきました。(※史脈とは…歴史が脈々とつながっていることを表す言葉として使用しています。)

【感想】
  • 古代史から見た大阪から続いて、中世・近代から見た大阪を理解する必要を感じます。

  • 資料をいただけたのがありがたかったです。歴史も文学にも興味がありますのでとても参考になりました。短時間で学ぶことができてありがとうございました。今後も参加させていただきます。

  • 聖徳太子の古えから大阪はアジアの中核として、また、わが国のアジアへの玄関口としての役割を果たしてきたという先生のお話に深く感銘をうけました。 これからもそういうアジアの中核にある“大阪”に住む、そして活躍する人間として、アジアとの交流に頑張っていきたい。

  • 上田先生の講演会はいつも新たな発見があってとても楽しいです。古代史が好きなのですが、今日は、別のテーマではありましたが、知らない事を聞く事はとても楽しいです。また、先生の御本をおかりして帰りたいと思います。

  • 朝鮮通信使400年にめを奪われがちでしたが、遣隋使1400年を知らされ、朝鮮半島のみならず中国、ひいては東アジアにおける日本、大阪の史脈を学びとることができました。いつもながら上田先生の博識と切り口の“鋭さ”に感銘しました。
第2回 7月14日(土)
講師 山折哲雄(やまおり  てつお)先生
       宗教学者・前国際日本文化研究センター所長
講演 「アジアの中の、日本のこころ・大阪のこころ」

 日本のこころ、大阪のこころがアジアの中でどのように培われたのかについて、「文化の精神性」という観点から語っていただき、アジアの中の日本・大阪の過去と現在をもう一度見つめ直し、21世紀の日本・大阪の未来について語っていただきました。

【感想】
  • 教育の難しい世の中で日本の伝統的精神文化をいろんな物をとおして例示されておもしろかった。

  • 今日のお話の続きが聞きたいと思いました。特に専門分野について。

  • 読書ではえられないいろいろな話を聞くことができて講演の面白さだと思いました。パンフレット、とても参考になりました。

  • 山折先生に2年ほど前に興味を持ち、いつか詳しく知らねばと思っていたところ、この機会を知り、申し込みました。五月には田辺聖子先生の講演を別で拝聴する機会も得ることができたので、いよいよ自分の生まれ育った関西の文化について深めていきたいと思います。ていねいなお話でおもしろかったです。

  • インドの偉人と比較できるようなすばらしい人物が上方にいたことを知り、誇りに思いました。文化の衰退が言われておりますが、過去に学び、何かのヒントを得ることが大切だと思いました。山折先生の誠実なお人柄の感じられる良い講演でした。ありがとうございました。

  •  大変面白かった。経済至上主義の現代、色々な問題が、事件が起きて、社会がおかしくなってきている中、今後に必要な事を提示していただいた。権力だけ、金力だけの社会ではなく、道徳、倫理が必要なこと、大切なことが痛感される。それを育てるものが、昔は社会の中にあったが、現在はない。ておくれと言わず、先生にはこれからも提言をしていただきたい。

  •  浄瑠璃の話をお聞きして、真っ先にうかんだのが、壬生狂言だった。一昨年だったか、ドイツ人を京都案内するにあたって、希望を聞いたところ、壬生狂言をリクエストされた。4〜5場面を熱心に観ておられた。勿論、日本語を解さない方なので、説明書も役に立たなかったはずだが、狂言の言わんとするところはしっかりと理解できたと感想を述べられた。日本人こそ、伝統文化にもっと親しまなければと自戒された思い出である。大阪産業創造館の地下に、関西の創業者100人の陳列がある。元気を与えてくれる。

第3回 7月21日(土)
対談 上田・山折 両先生による対談
     「21世紀の日本・大阪のこころとかたち」


 近くて「近い」アジアの中にあることを認識して、これから日本・大阪はどのような方向に向かうべきなのか、「21世紀の日本・大阪のこころとかたち」を中心に対談形式でお二人の講師におおいに語っていただきました。

両先生の対談風景写真

山折先生写真上田先生写真

【感想】
 
  • 上田さんの関西論は興味があった。西国という視点から京阪神の対立でない新しい構想、キャンペーンを府立図書館として継続をしてほしい。

  • 広く世界から見て大阪を話されて良かった。

  • どうもありがとうございます。